2人が開発したスプレー(上)。下の石こう板はいずれもおがくずの上で採取した足跡だが、スプレーを使った左のほうが鮮明に模様が浮き出ている=県警本部

 事件現場に残された容疑者の足跡を採取しやすくするスプレーを開発した阿南署刑事課の田原朋幸警部補(50)と本部鑑識課の渡邉耕三係長(41)が、2016年度の文部科学大臣表彰創意工夫功労者賞に選ばれた。スプレーは商品化され、徳島を含む24都道府県警の捜査に役立っている。

 スプレーは2種類の特殊なオイルを調合。撥水(はっすい)性が強いため型取りが困難だった、消火器の粉末消火剤やおがくずの上についた足跡の採取を可能にした。

 近年、容疑者が事件現場に消火剤をまき、証拠隠滅を図る手口が全国的に増加。水で溶いた石こうを使う従来の手法では、靴底の模様を採取するのが難しいケースがあった。

 2人は12年春ごろにスプレーの開発を計画し、試作や実験を重ねた。開発途中に県内外の学会などで発表。15年春、都内の民間企業が商品化し、これまでに約300本が販売された。

 2人は「苦労が報われてうれしい。今後もより良い鑑識資器材を開発したい」と喜んでいる。

 文科大臣表彰創意工夫功労者賞は職域で科学技術の改善向上に貢献した人を表彰しており、警察庁が2人を推薦。本年度は全国で978人、県内では15人が選ばれた。

 徳島県警からはこれまでに6人が受賞。18日に県警本部で2人の授賞式がある。