徳島県議会9月定例会の代表・一般質問が始まった。

 代表質問で最も注視されたのは、防災に関してどのような論戦が繰り広げられるかだった。

 西日本豪雨、北海道地震と立て続けに大規模災害が起こったばかりである。

 登壇した自民党と新風とくしまの代表者が、1人ずつ質問したのは当然だろう。

 内容は、豪雨・地震災害を踏まえた▽県内河川の整備方針▽市町村が行う災害対応への支援▽被害に遭った三好市の土砂災害対策―である。

 市町村への災害対応支援では、県独自の「災害マネジメント総括支援員制度」を創設する考えを、飯泉嘉門知事から引き出した。

 西日本豪雨では、他地域から応援に来た行政職員や自衛隊員に作業を振り分ける「受援」の態勢が課題となった。

 災害の種類を問わず、確立しておかなければならない対策の一つである。新制度は価値あるものとなろう。

 県は職員を派遣した愛媛県宇和島市での経験を生かし、制度を作るという。市町村に役立つ仕組みとなるよう期待したい。

 豪雨によって山腹崩壊や土砂崩れが相次いだ三好市の復旧工事は、緒に就いたばかりだ。知事は土木系の職員5人を西部県民局三好庁舎に配置するなどし、迅速な復旧を図ると述べた。

 防災を巡るこれらの質疑応答は、災害の影響を受けた人たちの安心につながるだろう。ただ、北海道地震で問題視された「ブラックアウト」(全域停電)が取り上げられなかったのは残念である。

 全域停電は日本の電力会社が初めて直面した非常事態だった。震源から遠く離れた地域も停電し、市民生活や産業に多大な被害をもたらした。

 四国電力は全域停電の可能性について「極めて低い」としているが、県はどう把握しているのか。想定外で発生した場合に、行政としてどう対処し、被害を最小限に食い止めるつもりなのか。

 事態発生のリスクを予測、対応するのは電力会社の責任である。それでも、県にただすことはあっただろう。

 県民の関心は高い。会期中の一般質問や委員会でしっかりと議論すべきだ。

 代表質問に登壇した3議員は計28項目を質問した。見過ごせないのは、とくしま記念オーケストラ事業を巡る問題が取り上げられなかったことである。

 昨年5月に問題が発覚して以降、代表質問でやりとりがなかったのは初めてであり、由々しき事態だ。

 問題発覚を受けて県が新設した基金について、その運営の在り方を問う場面はあったものの、記念オケの名称は一言も出なかった。

 事業費の不透明さが指摘されている点など、知事はいまだ核心を語っていない。知事の任期は残り8カ月を切った。うやむやのまま幕引きにしてはならない。