任意同行に応じ三好署に入る元課長補佐(左)=21日午前7時15分ごろ、三好市池田町ウエノ

 徳島県三好市と東みよし町でつくる「みよし広域連合」の元職員による公金着服問題で、県警捜査2課と三好署は21日、1761万円を着服したとする業務上横領の疑いで、広域連合の元事業課課長補佐の男(43)=東みよし町足代、無職=を逮捕した。広域連合の内部調査では6000万円を超える使途不明金が判明しており、県警は全容解明を進める。

 逮捕容疑は、広域連合の会計を担当する総務課課長補佐だった2016年3月31日、三好市内の金融機関窓口で、広域連合の普通預金口座から現金1761万6326円を引き出して横領したとしている。

 署によると、元課長補佐は「間違いありません」と容疑を認め、着服した金は「車の改造や旅行など、趣味に使った」と供述している。

 元課長補佐は会計管理者の決裁印が押された払戻請求書を金融機関に提出。広域連合の複数の口座のうち、有価証券の配当金などが入る口座から現金を引き出していた。払戻請求書には支出目的や支出方法を記入する欄がなく、不正の発覚が遅れた。

 広域連合の内部調査では、2012~15年度に約6600万円の使途不明金があった。元課長補佐は05~15年度、総務課で会計を担当。13年度に主査から課長補佐に昇進し、会計を取り仕切っていた。

 逮捕前の任意の事情聴取に「会計を担当するようになってから着服していた」と供述しており、県警は着服を始めた時期を慎重に調べる。

カーレースで遠征 改造車に高性能部品 元課長補佐

 業務上横領の疑いで逮捕された元課長補佐は、カーレースが趣味だった。高性能な部品を使って車を改造。県外のサーキット場に頻繁に遠征するなど、レース仲間には羽振りの良さが目立っていた。

 地元のサーキット場関係者らによると、元課長補佐は10年以上前からカーレースをしていた。広島や岡山、富山各県など、主に県外のレースに国産の改造車で出場。たびたび上位入賞している。

 レースによっては参加費だけで数万円かかり、タイヤは数レースで交換しなければならないという。関係者は「彼のように各地を遠征するのは珍しい。整備士も数人引き連れていたようだ」と話す。

 レース用の車は、性能向上にこだわればこだわるほど改造費が膨らみ、1000万円を超えることもある。元課長補佐の改造車を見たことがあるというレース愛好者は「一目見ただけでいい部品を使っていると分かった」と振り返る。

 関係者は「おしゃべりが好きで家族思いのいい子だった。こんなことになってショックだ」と話した。