決して過去の病気ではないのが結核だ。2017年に全国で2306人、徳島県内では24人が死亡している。

 3月には県西部の高齢者施設で、県内では7年ぶりとなる集団感染があったことが分かった。油断はできない。

 結核予防週間が始まった(30日まで)。日本がいまだ「中まん延国」に位置付けられていることを直視し、定期的な健康診断による早期発見の重要性を再認識する機会としたい。

 17年の全国の新登録患者数は1万6789人で、10万人当たりの患者数を示す罹患率は13・3だった。

 県内の新登録患者数は118人。罹患率は15・9で、大阪、長崎、東京、兵庫に次いで全国で5番目に高い。高齢者が多いのが特徴で、全体の8割近くが60代以上だ。

 結核は空気感染する。感染者が発病し、排菌を始めると周囲にうつしてしまう。

 ただ、感染しても必ずしも発病するわけではない。通常は免疫力によって結核菌の増殖が抑えられるからだ。

 ところが高齢になり、がんや生活習慣病などで免疫力が弱まると、結核菌が活動を再開することがある。

 大都市で目立つ結核患者が県内で多いのは、高齢化率の高さと無縁ではない。免疫力が低下しないよう、普段から規則正しい生活をすることが大事だ。

 高齢者施設などでは、受診の遅れが施設内の感染につながりかねない。県西部の集団感染では、80代女性が結核と診断され、他に発病者4人、感染者1人がいることが判明した。

 施設職員は、お年寄りの体調を日々チェックし、たんや咳、微熱や体のだるさが2週間以上続いている場合は結核も疑ってほしい。感染防止には定期健診の実施に加え、周囲の人が結核を意識することが重要だ。

 近年、外国人の結核患者が増加しているのも気になる。厚生労働省によると、17年は1530人で、前年より192人増えた。海外から菌が持ち込まれるケースが少なくないようだ。

 8月には香川、徳島の両県の農場に配属されていた外国人技能実習生の男女12人が集団感染し、3人が発病したことが明らかになった。

 そもそも世界の総人口の約4分の1が結核に感染している。近隣のアジア諸国には「高まん延国」が多い。

 技能実習生のみならず、旅行者の往来が急増している中、厚労省は入国前に検査を義務づけることなどを検討中だ。対策が急がれる。

 結核の撲滅には国際連携も欠かせない。身近なところでは、とくしま未来健康づくり機構(結核予防会県支部)などが12月まで「複十字シール運動」を続ける。募金を集めて、開発途上国の結核対策や啓発などに充てる試みだ。地味だが、意義のある取り組みといえよう。協力を惜しむべきではない。