「3年間しっかりと取り組み、新オフィスの結果を出したい」と語る岡村和美消費者庁長官

 2017年度政府予算案が閣議決定され、徳島県庁内に消費者庁の新たな政策立案拠点「消費者行政新未来創造オフィス(仮称)」が7月にも開設される。消費者庁の岡村和美長官が徳島新聞のインタビューに応じ「省庁移転を単なるブームで終わらせないよう、結果を出したい」と述べ、新オフィスでの取り組みに全力を注ぐ考えを示した。一問一答は次の通り。

 -新オフィスの関連費5億5千万円が政府予算案に計上された。

 国の財政状況からみて、非常に大きな予算が認められたと評価している。新オフィスが国から期待されているからだろう。行政や企業、学術機関を含めた多様な人材構成を考えており、消費者庁職員も合わせて50人程度が参画する。

 -どのように人材を集めるのか。

 自治体は県内市町村、学術機関は県内複数の大学に協力をお願いしたい。徳島発の全国、世界規模の企業はたくさんあり、分野もさまざま。それは徳島の強みでもある。

 -どんな業務に取り組むのか。

 東京で十分できていなかった分析・研究や実証実験を通じ、地域の役に立つ効果的な施策を生み出したい。分析・研究では、消費生活相談を寄せる人々の世代別の消費動向分析に取り組みたい。高齢者対象の研究はあるが、世代別ではどうなのか。理論的・先進的な研究を行う。

 実証実験では、既に徳島でも取り組んでいるが、高齢者の消費者被害を防ぐ消費者安全確保地域協議会を県内全域に設置できればと考えている。さまざまな製品を巡る子どもの事故防止、食品表示を題材とした消費者教育にも実証的に取り組みたい。徳島の皆さんと一緒に、全国に通用する新しい効果的な施策をつくる。

 -昨年の試験業務でさまざまな課題が浮き彫りになった。3年間で解決できるか。

 今の段階で結論を急ぐべきではない。まずは新オフィスに集中して取り組み、終了した段階での評価になる。

 -徳島で取り組む意義は。

 消費者問題へのこれまでの取り組みから、消費者にインタビューする場合などに地域の協力を得やすいと考える。徳島での調査研究結果は全国に示していく。消費者白書には新オフィスでの成果も記す。

 -県や県民への要望は。

 機運を盛り上げてくれたことに感謝している。省庁移転が単なる一時的なブームで終わらないよう県の意欲とわれわれの努力の両方を続けていければ。消費者庁にとって地方の足腰が十分ではない中で、初めて地方にオフィスを設けられる。県民の役に立つオフィスにし、徳島の地域力の強化にもつなげたい。

 -新オフィス開設への抱負は。

 消費者庁は発足8年目で、国の役所で一番若い。新オフィスに力を注ぎ、消費者庁も成長しなければいけない。新オフィスで成果を出し、徳島と日本の未来を共につくっていきたい。

 ◆消費者庁の徳島移転を巡る経緯

 2016年3月と7月に消費者庁が移転の課題を探る試験業務を徳島県内で実施。それを踏まえ、河野太郎消費者行政担当相(当時)が県庁への新オフィス設置を表明し、移転の判断を先送りした。新オフィスでの成果をはじめ、試験業務で課題として浮かび上がった交通・通信網の整備状況や全省庁的なテレビ会議システムの普及状況などを検証した上で、3年後をめどに改めて同庁の徳島への全面移転の可否を判断する。