とくし丸レシピ大賞で大賞を受賞した「さば水煮缶の押寿司」(とくし丸提供)

徳島県内からの応募のうち、最上位の銀賞を受賞した大西さんの「猪カボチャコロッケ」

 軽トラックによる移動スーパー事業を全国展開するとくし丸(徳島市)が、買い物客に自慢の手料理を紹介してもらうコンテスト「とくし丸レシピ大賞」を初めて開いた。地域ごとに受け継がれてきた「ご当地の家庭の味」を次世代に継承するのが目的。全国から343件の応募があり、大賞(1件)、金賞(5件)などを決めた。徳島県からは銀賞(10件)に阿南市福井町中連の理容業大西多佳子さん(65)の作品が選ばれた。

 とくし丸は、商品を供給するスーパー、移動販売車で商品を届ける「販売パートナー」の2者と連携して事業を展開している。販売パートナーは訪問先で、買い物客からお礼として料理や菓子をもてなされる場合がある。地域に伝わる料理を広く知ってもらおうと、レシピ大賞を企画した。

 今春、買い物客に呼び掛け、当時の対象地域である43都道府県から343件の応募があった。とくし丸を利用する中心の高齢層が大半を占めた。

 工夫・アイデアや地域性・ユニーク性、再現しやすさなどを審査基準に、住友達也社長ら従業員6人が審査。京都府福知山市の横川百合子さん(89)の「さば水煮缶の押寿司」が大賞に輝いた。常備食材で気軽に作ることができ、華やかな見た目に仕上がっている点などが評価された。

 徳島県からは52件の応募があった。銀賞に選ばれたのは大西さんの「猪カボチャコロッケ」。銅賞(30件)には5件、入賞(100件)には20件が入った。

 大賞、金賞の計6点のレシピはとくし丸のホームページに掲載されている。銅賞までのレシピ46点も、契約するスーパーに送っており、利用客への周知を図ってもらう。

 レシピ大賞の運営を担当するとくし丸の坂本真之スーパーバイザー(28)は「お客さんの頭にしかなかったおいしい料理をレシピとして形に残したかった。想像していた以上に面白いレシピをたくさん寄せてくれた」と話した。

 とくし丸は今後も毎年コンテストを続ける予定。買い物客を主役にした新たなイベントも開いていく計画にしている。

 〈とくし丸〉2012年2月、徳島市内のスーパーと連携し、商品を車に積んで各地を回りながら対面販売を始めた。その後、地域のスーパーと移動販売を行う販売パートナー、ノウハウを提供する「とくし丸本部」の3者によるシステムを確立させた。買い物客は1商品につき10円上乗せで支払う。利益はスーパーと販売パートナーで分け合い、「とくし丸本部」はロイヤルティー(権利料)を得る。今夏からは新潟でもサービスが始まり、現在は宮城、宮崎、沖縄3県を除く44都道府県で336台(うち徳島27台)が走っている。