[上]美波町有形文化財に指定された彫刻「真言八祖像」のうちの「弘法大師像」(町提供) [下]室町時代の貴重な仏画「星曼荼羅(九曜星)」(町提供)

 美波町教委は、四国霊場23番札所・薬王寺(同町奥河内)所蔵の仏像彫刻「真言八祖像(しんごんはっそぞう)」と仏画「星曼荼羅(ほしまんだら)(九曜星)」を町有形文化財に指定した。2006年の町発足後、町文化財の指定は初めて。2日には同寺で、指定文化財2件を含む宝物15点を特別公開する「寺宝展」が開かれる。

 弘仁6(815)年開基とされる薬王寺は県南きっての名刹(めいさつ)でありながら、寺宝や建造物などの文化財調査はほとんど行われていなかった。2012年から、町と寺、四国大が連携した「地域がキャンパス事業」で本格調査に着手。須藤茂樹准教授(日本中近世史)を中心に、現在も調査が進められている。特に貴重な寺宝2件が今回、町文化財保護審議会の審査を経て、有形文化財に指定された。

 真言八祖像は、真言宗の開祖・弘法大師空海と、空海が唐で教えを受けた高僧・恵果(けいか)ら8人を加えた全9体の肖像彫刻。高さ33~76センチ、全てヒノキ材の寄せ木造りで、大師堂に納められている。

 八祖像は08年、大師堂の修繕工事に合わせた解体修復で、木像の内部から制作や修理に携わった仏師の名を記した「銘記」を発見。弘法大師像は天文19(1550)年、残り8体は安永3(1774)年に京都の仏師・塩釜(しおがま)が手掛けたことが分かっている。

 一方、星曼荼羅は室町時代の絵図で、縦59・7センチ、横38・3センチ。星座を用いた修法の際に使った中世の仏画として、非常に貴重な作だ。傷みが激しく、須藤准教授は「長年、寺の法要で使われていたためでは」と分析する。

 2日の寺宝展は、境内の本坊と大師堂で開催。江戸時代から昭和にかけて描かれた屏風(びょうぶ)、ふすま絵、仏画など、普段は未公開の宝物の数々が開帳される。須藤准教授の講演は午後1時からで、文化財指定の経緯や仏教美術の魅力を解説する。