山口県周防大島町の道の駅「サザンセトとうわ」で撮影に応じる樋田淳也容疑者。左のリュックには愛媛県庁で作ってもらったとみられる「日本一周中」と記された紙が付けられていた=9月18日

 大阪府警富田林署から逃走し逮捕された無職樋田淳也容疑者(30)が、8月末に高知県須崎市内の道の駅で、県警の警察官から職務質問を受けていたことが4日、捜査関係者への取材で分かった。偽名を名乗り、大阪府羽曳野市で盗まれた自転車に乗っていたが、警察官らは防犯登録照会をせず、樋田容疑者と気付かなかった。

 愛媛、香川、高知の3県で目撃されていることから、樋田容疑者が徳島県内に入っていた可能性もあり、大阪府警の捜査員が県内の道の駅で防犯カメラの映像を確認したり、目撃情報を求めたりして逃走ルートの解明を進めている。

 大阪府警は、四国各地を訪れて目撃情報を確認している。県内では阿南市那賀川町の道の駅「公方の郷なかがわ」と美波町の道の駅日和佐に2日、捜査員が訪れ、防犯カメラの映像を確認するなどしたという。

 実際に樋田容疑者が県内を訪れたとの情報を府警が得ているかどうかは不明。「なかがわ」の産直市店長、谷誠二さん(43)は「自転車で札所や観光地を巡る若者は多く、夏場は道の駅でテントを張って野宿する人もよく目にする。樋田容疑者を見た記憶はないが、ここを通って高知に向かった可能性もあり、想像するだけでぞっとする」と話した。

 樋田容疑者の足跡が四国で最初に確認されているのは8月24日の愛媛県庁訪問。9月2日に再び県庁を訪れるまでの10日間に、香川、高知両県内で目撃情報がある。愛媛県自転車新文化推進協会のホームページによると、徳島県沿岸を含む四国の海岸沿いは1周が約千キロで、11日間程度で走ることが可能だという。

 愛媛県自転車新文化推進課で2度、樋田容疑者に対応した職員は「本人からルートは聞いておらず、徳島の地名も口にしていなかった。『海がきれい』と言っていたので、愛媛県南部や高知県に行ったのでは、という印象を持った」と話す。

 樋田容疑者が、本州から四国にどんな方法やルートで入ったのかも明らかになっていない。

 関西から自転車で四国に入るには、広島県尾道市と愛媛県今治市を結ぶしまなみ海道のほか、和歌山市―徳島市間の南海フェリー、岡山県玉野市―高松市間のフェリーなどのルートが考えられる。

 徳島新聞は4日、徳島県内のフェリー乗り場や四国霊場札所などで樋田容疑者の逃走中の痕跡がないか取材をしたが、目撃情報は得られなかった。