阿南市長生町の耕作放棄地約5ヘクタールを農地転用して今年5月に完成した大規模太陽光発電所(メガソーラー)を巡り、市農業委員を務めていた男性が、発電事業会社の担当者の男性から現金を受け取った疑いがあることが11日、分かった。県警が贈収賄容疑での立件を視野に捜査している。
 
 メガソーラーを整備したのは、県内外で自然エネルギー発電事業を手掛ける阿南市の会社。農業委員の男性は、農地転用の前提条件となる耕作放棄地の荒廃状況の評価に絡み、事業の実施を目指す同社担当者から現金を受け取った疑いが持たれている。
 
 開発された農地は元々、太陽光発電を目的とする転用が原則許可されない第1種農地だった。このため、太陽光発電を目的とした転用が可能になる農山漁村再生可能エネルギー法(2014年施行)に基づく手続きで農地転用された。

 同法の適用には、市農業委員会から農地の再生利用が困難な「荒廃農地」と判断されることが条件。市農業委は、この農地を再生利用が可能な土地としていたが、15年度に荒廃農地に変更している。

 県警は、変更手続きなどを巡り、現金を受け取った疑いのある農業委員の男性がどう関与していたのか、9月上旬以降、事情を聴いている。男性は当時、市農業委員会の副会長を務めていた。

 男性は9月25日付で「一身上の都合」を理由に農業委員を辞任。周囲には、業者の担当者から現金を受け取ったと認めた上で「賄賂とは思っておらず、警察とは見解の相違がある」と釈明しているという。