耕作放棄地を活用して整備された大規模太陽光発電所=阿南市長生町

 阿南市の耕作放棄地を農地転用して建設した大規模太陽光発電所(メガソーラー)を巡る贈収賄事件で、贈賄容疑で逮捕された自然エネルギー発電事業会社「ガイアパワー」(同市)の元顧問の男(67)=徳島市北山町=が、賄賂の100万円をコンサルタント料名目で渡していたとみられることが13日、関係者への取材で分かった。県警は、実態のないコンサル業務の委託を装ったとみて捜査している。

 関係者によると、100万円は2016年5月と17年7月の2回に分け、同社から収賄容疑で逮捕された元市農業委員の男(71)=阿南市那賀川町=の銀行口座に振り込まれていた。元顧問の男は、土地の水はけ調査などのコンサル業務を元市農業委員の男に委託したとして調査委託料名目で事業経費に計上し、同社の伝票を切っていた。

 元市農業委員の男も県警の任意聴取を受け始めた9月上旬以降、周囲に「コンサル料としてもらった。契約書も交わしている。農業委員として行った仕事ではなく、賄賂とは思っていない」と釈明していた。

 経費で支払われていたことに対し、同社の関係者は「最終的には社長の決裁がないと会社の金は振り込めない。元顧問の男が架空の書類を作っていた」として、社としての関与を否定した。

 県警は13日、元市農業委員の男、元顧問の男を送検した。送検容疑は、元市農業委員の男が16年5月と17年7月の2回、農地転用を伴う認定申請などで便宜を図ることへの謝礼と知りながら、元顧問の男から計100万円の賄賂を受け取ったとしている。

 阿南市役所など捜索 県警

 阿南市のメガソーラーを巡る贈収賄事件で、県警は13日、市農業委員会事務局がある市役所と、元農業委員の男と親交のあった農業委員1人の自宅を家宅捜索した。

 市役所には午後1時すぎに捜査員約10人が入り、6階の農業委員会事務局と農林水産課を3時間近く捜索した。県警はこれまでに、農業委員会で勤務経験のある複数の職員から任意で事情を聞き、市も農地転用などに関する資料を複数回、県警に提供していたため、この日押収した資料は段ボール箱3箱分だけだった。

 同市内の農業委員宅には午前9時半すぎ、捜査員5人が入り、正午前に段ボール箱1箱分の資料を持って出た。その後、県警は阿南署に農業委員を呼んで約2時間半、任意で事情を聞いた。