どうにも割り切れない。太陽光発電の一部事業者に、発電の一時停止を求める「出力制御」を、九州電力が実施した。電力需給のバランスが大きく崩れ、大規模停電に陥る事態を防ぐのが目的だそうだ。離島を除いて国内では初めてのケースとなる

 要するに電力が余って困った、というわけである。多くの批判を受けつつも、原発の再稼働を急いでいるのは、一体全体どこの国の話か、という気がしないでもない。九電管内でも既に4基が再稼働している

 電力はデリケートだ。供給は常に需要と一致させる必要がある。失敗すれば北海道で起きたような大規模停電につながるが、天気に左右される太陽光は、あらかじめ定めた量の供給が難しい

 九州は全国でも太陽光発電の導入が盛んな地域だ。エアコンもいらず需要の減少する秋の週末、好天で発電量が急増すれば、火力発電所の出力を落とすなどしても調整が間に合わないと判断したという

 政府はエネルギー基本計画で、再生可能エネルギーを主力電源化し、2030年度の電源構成比率22~24%を目指すとしている。出力制御が頻発すれば、再エネ普及の足かせとなろう

 電力は国の大本だ。広域で電力融通をしやすくする送電網の増強や、余剰分を取り置く蓄電池の増設など、国と電力会社には、再稼働よりも急ぐべきことがある。