流通大手イオンの積極展開により、中四国のスーパーの勢力図が大きく変わり、徳島県内でも各社の競争が激しさを増しそうだ。イオンはマルナカ(高松市)など中四国の子会社3社の経営統合や、大手のフジ(松山市)との資本・業務提携を相次いで発表。これに伴い、県内でイオン関連のスーパー・ショッピングセンターは34店と最多に躍り出る。地場の各社は、地元企業ならではのサービスや商品展開で差別化を図る戦略を描く。

 「市場が縮小していく中で、単独で成長を維持していくのは難しい」。フジは提携に踏み切った理由をこう説明する。規模を拡大して効率化を図るとともに、中四国のオリジナルブランド商品を共同開発するなどし、地域密着型経営が強化できると期待している。

 イオン関連の県内店舗はマルナカ26店、マックスバリュ西日本(広島市)3店、フジがスーパーとショッピングセンター計4店、イオンモール徳島の合計34店。イオンは2021年以降の中四国の目標として、傘下3社とフジの計4社で売上高1兆円を掲げる。現在トップのイズミ(広島市)は18年2月期連結決算で九州なども含め6962億円の売上高となっており、これを大きく上回る。

 中四国では基盤の強化や勢力拡大を図る流通業界の動きが加速している。ゆめタウン徳島を出店するイズミも4月、セブン&アイ・ホールディングスとの業務提携を発表した。

 こうした動きに対して、イズミ傘下に入って3年で、7店舗を持つデイリーマート(美馬市)は「(イオンとフジの提携による)直接の影響はない」とみながらも、「地元の産品を増やすなど地元色ももっと出していきたい」。地域に根差した店づくりに注力して存在感を示す考えだ。

 県内に31店舗を構えるキョーエイ(徳島市)は「競争は激化するだろうが、やるべきことは変わらない」と冷静に受け止める。良い商品を提供するだけでなく、県産農産物の産直コーナー「すきとく市」や買い物難民対策の移動スーパー「とくし丸」などで地元スーパーとしての使命を果たしていくという。

 イオン、イズミ以外にも、県内5店を含めて中四国で81店舗の24時間スーパーを展開するハローズ(広島県福山市)も徳島での店舗拡大を計画する。

徳島経済研究所の元木秀章上席研究員は「人口減少や競争激化が進む中、今後も統合や提携といった動きは起こってくるのではないか。スーパーを取り巻く環境はさらに厳しさを増すだろう」と話している。