四国で初めて行われた経皮的僧帽弁接合不全修復術=9月13日、小松島市小松島町の徳島赤十字病院(病院提供)

細川忍部長

 徳島赤十字病院(徳島県小松島市小松島町)は、心臓の弁が正常に開閉しないため血液が逆流する僧帽弁閉鎖不全症(MR)の最先端手術「経皮的僧帽弁接合不全修復術」を四国で初めて行った。開胸したり心臓を止めたりせずに治療でき、高齢で体力が低下した患者でも治療を受けられる。

 MRは弁の異常や心不全などによって血液が左心室から左心房に逆流する心疾患。開胸手術や薬物療法などでの治療が一般的だが、患者の身体的負担が大きかったり、薬の効果が低かったりして入退院を繰り返すケースがあった。

 経皮的僧帽弁接合不全修復術では、足の付け根からカテーテルを挿入し、先端にあるクリップで僧帽弁をつなぎ合わせて弁の動きを制限し、血液の逆流を防ぐ。徳島赤十字病院は9月13日に県内の80代男性に施術。男性は術後1週間で退院し、経過は良好という。

 この術式は2008年にヨーロッパ、13年に米国で導入。国内では4月に保険適用になり、施設や手術実績などの条件を満たした認定医療機関だけが実施できる。

 徳島赤十字病院は、施設認定の推奨要件となっている血管撮影装置を備えたハイブリッド手術室を整備。循環器内科医や麻酔科医、看護師ら約50人で専門チームを結成し、9月に認定を受けた。全国22の認定施設のうち、中四国では同病院と倉敷中央病院(岡山県倉敷市)の2カ所だけ。

 執刀した循環器内科の細川忍第二部長は「国内には80万~100万人のMR患者がいるとの試算がある。手術リスクの高い患者の選択肢の一つとして考えてほしい」と話している。