金竜、昇竜、登り竜の三つの断崖が天をつく。「東洋一」との触れ込みは、いささかオーバーではあるにせよ、見ておくべき風景の一つには違いない。三好市池田町の紅葉の名所、竜ケ岳を訪ねた

 谷底から立ち上がってきた高さ数百メートルの絶壁が、約4キロにわたって続く。まだ色付いておらず、見頃には早かった。ここより標高のある剣山も、ようよう見ノ越辺りまでだったから、もとより覚悟の上

 昔の趣味人は言った。月は満月を、花は満開だけを楽しむものだろうか。雨に対して月を恋い、つぼみに花を思うのもまた楽しい。それに倣えば紅葉も、鮮やかな朱色を求めるばかりではない。高さ約950メートルの緑のついたてが、錦をまとう姿を想像してみた

 仰ぎ見て、なるほど想像できなくもないが、結論から言えば、そこは俗人。やはり、にぎやかな方がいい。全山が赤や黄に染まれば、それは見事だとか 

 ただ、道は細く、車をUターンさせる場所に困る。県外にまで知られた名水も湧いており、見頃になっての週末は相当大変だろう。景色を横切る電線が少々うるさいのも難点だ 

 三好市観光課によると、シーズンは11月に入ってから。井川町の腕山を経由する道もあるが、オフロードバイクでもなければ、お勧めしない。松尾川温泉の脇を通り、帰りは温泉でほっこりするのが常道だ。