「カーディナリス有限会社」が本店を置くマンション=福岡市中央区鳥飼1

 神山町が、第三セクターの「神山温泉」の経営診断事業を福岡市のコンサルタント会社に発注しようと、温泉に経営資料の提供を迫っていた問題で、町がこのコンサル会社の実態を十分に把握していないことが27日、関係者への取材で分かった。登記内容を確認しておらず、同社が登記簿上で「解散」に該当する状態だったことなどを町幹部は知らなかった。

 関係者によると、このコンサル会社は福岡市中央区の「カーディナリス有限会社」。町は、観光振興に役立てるなどの名目で経営診断を随意契約で発注しようとしている。

 登記事項証明書によると、同社は資本金30万円で2005年3月の設立。証明書には「解散事由」として、増資して資本金を300万円以上にするか、株式会社、合名会社、合資会社に組織変更をしないまま設立から5年がたった時は解散すると記されている。

 ところが、設立から11年がたった現在、資本金は300万円に届いておらず、組織変更もされていない。管轄する福岡法務局は「本来は解散すべき会社で、存在し得ない」としている。

 同社の本店所在地は福岡市中央区のマンション。徳島新聞記者が25日に訪ねると、応答はなく、社名は掲げられていなかった。同社の代表の名刺に記された電話番号もこれまでに通じていない。

 大野富美雄副町長は取材に対し「登記や実態は知らなかった」と述べた。同社の実績について、副町長は「県外の温泉の経営を立て直したと聞いている」と話すにとどまった。

 町の地方創生戦略を進める一般社団法人「神山つなぐ公社」の男性理事が町にカーディナリスを紹介したとされている。理事は「町から業者を聞かれたので例示しただけで、カーディナリスの状況は知らない」と話している。