コーナーフラッグを握り、ゴールを喜ぶ大﨑(左)=鳴門ポカリスエットスタジアム

 徳島ヴォルティスの背番号10が、レノファ山口戦でクラブの歴史に名を刻んだ。MF大﨑淳矢が、徳島ではFW佐藤晃大(2011年6月25日・湘南戦で達成)以来、リーグ戦で2人目となるハットトリックを成し遂げた。プロ入り後、1試合での複数得点も初めてで「サッカー選手としてすごくうれしい」と喜んだ。

 「感覚だった」と振り返った1点目。左サイドからのFW渡のクロスに飛び込んだ。難しいボールだったが、DFとGKの間へのすばやく入り込み、左足で合わせた。「寿人さんがよくやっていた」と、J1歴代2位の161ゴールを誇る、広島時代の先輩FW佐藤寿人(現・名古屋の)から学んだ動きで、ゴールネットを揺らした。

 2点目は、相手がマークに付いてこないことを見抜くと、味方にボールを要求し、ディフェンスライン裏にうまく抜け出した。2点目を決めてから「もう1点入るかもしれないと思っていた」と言い、迎えた終了間際に訪れたチャンス。近くにフリーの味方もいたが「パスの選択肢はなかった」と右足を振り抜き、ゴールラッシュに沸く、スタジアムの熱気を最高潮に高めた。

 徳島では2013年から在籍5シーズン目、クラブ歴代7位の試合出場数を誇るが、今季は、攻撃陣の競争が激しく、出場機会も得るのに苦労している。「毎試合結果を残さないと次はない」と強い危機感を持ち、試合や練習に臨んでいる。この日で、先発5試合で5得点となったが気を緩める様子はない。

 「新しいことを吸収するのに時間がかかるほう」と自身を評する。昨季も後半戦でゴールを重ねただけに、リーグ戦が終盤に差し掛かる中で期待も大きい。2013年のJ1昇格を知る頼もしい存在が、チーム内競争をさらに激しくさせるとともに、再昇格を狙うチームの力をさらに引き上げてくれそうだ。