巧みなボールコントロールで攻撃陣をリードするMF杉本=徳島スポーツビレッジ

 12日現在、J2リーグ2位の61得点と屈指の攻撃力を誇る徳島ヴォルティス。攻撃陣の要として奮闘するのが今季、J1の常勝チーム鹿島から期限付きで移籍したMF杉本太郎(21)=岐阜県出身=だ。162センチと小柄ながら、強さとうまさを備え、熱い闘争心も秘める。厳しい昇格争いを勝ち抜く上で欠かせない要素をピッチで体現している。

 徳島のゴールラッシュは杉本の開幕弾から始まった。大勝した6月のアウェー山形戦で2点目を挙げると、後半戦のホーム京都戦でも先制点を決め、歓喜するゴール裏のサポーターへガッツポーズ。通算5得点に「もっとゴールに絡みたい」と満足した様子はない。

 体をぶつけられても倒れない抜群のボディーバランスと、そこから生まれる切れ味鋭いドリブルが見る者を魅了する。自身も「狭い所での突破力や相手に捕まえさせないポジショニングが強み」と話す。

 2014年に岐阜県の帝京大可児高から鹿島に入団。3年目だった昨季はリーグ戦14試合と出場機会を増やしたが、1得点に終わった。「もっと試合に出て、成長したい」。そんな思いを募らせていた時、徳島からオファーが届いた。

 今季出場は既に自身最多の35試合。経験を積む中で変化したのはメンタル面だ。「うまくいかなくても引きずらなくなった。いい意味での開き直り」。気持ちをうまく切り替え、常に前向きな姿勢で次のプレー、次の試合に臨めるようになった。

 終盤戦を迎え、チームはプレーオフ圏ぎりぎりで苦闘するが、そのスタイルは変わらない。「現状を受け止めた上でしっかり準備し、目の前の試合を一戦一戦勝つことに集中する」。冷静な口調に、J1昇格という目標達成への強い決意がにじんだ。