吉村萬壱さん

 徳島新聞社と徳島文学協会は2018年、掌編小説コンクール「徳島新聞 阿波しらさぎ文学賞」を創設する。徳島をテーマにした作品を全国公募し、地域文化の振興につなげるのが狙い。最終選考委員長は、徳島ゆかりの芥川賞作家吉村萬壱さんが務める。

 応募作品に徳島の地名や文化、歴史、産業などを登場させるのが条件。徳島に広く関心を持ってもらうことで、地域活性化を後押しする。

 小説の初心者でも気軽に応募できるよう、原稿用紙15枚を上限とする。小中高生から高齢者まで、年齢は問わない。

 第1席の「阿波しらさぎ文学賞」の賞金は30万円。「徳島新聞賞」(10万円)と「徳島文学協会賞」(3万円)も設ける。徳島新聞賞は、徳島出身および徳島在住者から選考する。徳島文学協会賞は、25歳以下の応募者を対象とする。

 最終選考委員長の吉村さんは、1961年松山市生まれ。父親が小松島市出身で、小学生の頃は夏休みを徳島で過ごした。2003年「ハリガネムシ」で芥川賞を受賞。17年に県立文学書道館で特別展「吉村萬壱―意味のない美しい夢」が開催された。また、徳島新聞賞の選考委員として宮本正理事編集局長が入る。

 詳しい応募要領は、1月下旬に徳島新聞紙上で発表する。2月1日から6月中旬まで作品を募集する予定。徳島文学協会による1次選考を経て、8月に最終選考が行われる。受賞作は徳島新聞に全文掲載する。授賞式と記念イベントが9月に行われる。

 徳島文学協会長で四国大学教授の佐々木義登さん(51)は「阿波しらさぎ文学賞を、小説という芸術表現の入り口に立つきっかけにしてほしい。徳島県民にとっても、古里の良さを再発見する機会になるのでは」と話している。