[上]短編ドキュメンタリー「思いをつなぐ鎮魂の花」の一場面。特攻隊について語る田尻さん[下]短編ドキュメンタリーを制作した山田さん(右)と大林さん(いずれも山田さん提供)

 太平洋戦争末期に編成され、米艦隊への体当たり攻撃で命を落とした「徳島白菊特攻隊」をテーマにした短編ドキュメンタリー作品を龍谷大(京都市)の学生2人が制作した。タイトルは「思いをつなぐ鎮魂の花」(8分)。徳島県内の元特攻隊員や慰霊花火の取材などを通じ、平和を願う人々の姿を描いた。2人は22日、元特攻隊員に作品を披露する。

 制作したのは社会学部コミュニティマネジメント学科4年の山田郁登(ふみと)さん(22)=大津市=と大林楓谷(ふうや)さん(22)=滋賀県野洲市。地域の隠れた史実や課題を映像化するゼミに所属し、撮影から編集まですべての作業を手掛けた。

 作品では、元特攻隊員の田尻正人さん(95)=徳島市八万町大野=や、「徳島白菊特攻隊へ捧(ささ)ぐ花火実行委員会」の澤内健司委員長(45)=小松島市中田町=が特攻隊や慰霊花火について語り、平和の尊さを訴えている。松茂町豊岡の月見ケ丘海水浴場であった打ち上げの様子も収めた。

 2人は作品のテーマを探していた2016年春、たった2発しか打ち上げない珍しい花火があることをインターネットで知った。5月に同海水浴場を訪れ、田尻さんや澤内さんから特攻隊について聞き、衝撃を受けた。

 2人は6月から制作を始め、7回ほど来県して撮影を重ねた。作品は昨年10月に完成し、12月に他の生徒の8本とともに京都市内の映画館で上映した。観客からは「こんな史実があったなんて知らなかった」「これからの人生に大きな影響を与えた」などの感想が多数寄せられたという。

 「搭乗員は自分と同年齢か年下ばかり。平和な時代に生きている尊さを実感した」と話す山田さん。22日に田尻さんが入所する特別養護老人ホームを訪れ、プロジェクターで作品を上映する考えだ。「撮影に協力してくれた田尻さんに取材の成果をぜひ見てもらいたい」と話している。