別府温泉から届けられた源泉に入る山西さん(左)と別府市職員=阿南市羽ノ浦町岩脇

 2016年4月の熊本地震で観光面の影響を受けた大分県別府市が、復興支援の恩返しとして取り組んでいる別府温泉の無料宅配事業で27日、徳島県阿南市羽ノ浦町岩脇の無職山西典さん(61)宅に源泉が届けられた。希望者の中から市が選んで各地を回っており、県内は初めて。山西さんは早速“別府温泉”につかり、心地良いひとときを過ごした。

 27日午前10時すぎ、山西さんの自宅に源泉入りタンクを載せたトラックが到着した。別府市観光課の職員ら3人がタンクから約25メートルのホースを延ばして風呂場の浴槽に給湯した。

 湯船に入った山西さんは「いい湯加減で気持ちいい。まさか自宅で本場の湯を楽しめるとは」と満足げに話した。

 温泉好きの山西さんは観光を通して復興支援ができればと思い、16年12月29日~17年1月3日、家族4人で別府温泉に宿泊した。

 別府温泉は熊本地震による風評被害で観光客が激減。発生直後から8日間の宿泊キャンセル数は推定約11万人で、被害総額は約13億円に上った。それでも多くの観光客が訪れ、V字回復を実現した。

 宅配事業は17年4月から始めた。市の特設ホームページから希望者を募り、同年5月から宅配している。これまでに約2800件の応募があり、36都道府県の113カ所に届けた。希望者の受け付けは1月末で締め切り、配達は3月まで行う。