ザンビアへの渡航を控え、打ち合わせする松村医師(左)ら=吉野川市山川町のさくら診療所

 アフリカ南部・ザンビアで心臓外科医の指導、育成活動に取り組む吉野川市のNPO法人「TICO」の医師らが30日から現地に出向き、ザンビア人医師による心臓外科手術を指揮する。昨年11月に心臓血管手術を成功させたのに続いて、今回は心臓の一部に先天的に開いた穴を閉じる心房中隔欠損(ASD)閉鎖手術を初めて行う計画。より高い技術の習得を支え、同国の医療環境の向上につなげる。

 TICOスタッフの松村武史医師(46)、四国こどもとおとなの医療センター(香川県善通寺市)の江川善康医師(64)と、看護師、医療装置の操作や保守点検を担う臨床工学技士各1人の計4人が30日から2月16日までの18日間、首都ルサカにあるザンビア大学付属教育病院を訪れる。手術に必要な人工心肺装置も持ち込む。

 ASDは左右の心房を隔てる壁に穴が開く先天性疾患。100人に1人程度の割合で発症し、重症化すると心不全を起こして死亡する場合もある。穴をふさげば完治するが、ザンビアには手術をできる医師がおらず、手術を受けられず命を落とす人も多いという。

 滞在中、同病院の30代外科医4人が、子ども2人、大人2人の計4例のASD閉鎖手術を実施する予定。松村医師らは、人間のものと構造が似ている豚の心臓を使って実技トレーニングを行い、手術に立ち会う。

 ザンビアにはこれまで心臓外科手術ができる現地医師がいなかった。TICOはザンビア大学付属教育病院の依頼を受け、昨年9月に吉田修代表(59)や松村医師が「施術医師育成プログラム」に着手。同病院の外科医や看護師に手術手順や衛生管理などを指導してきた。同11月には同国人医師による初めての心臓外科手術を、吉田代表らが立ち会って成功させた。

 育成プログラムのリーダーを務める松村医師は「現地医師に手術を成功させて自信を付けてもらい、ザンビアの心臓外科医療を担う中心的な人材に育て上げたい」と意気込んでいる。