消息が分からなくなっている松岡伸矢ちゃん(藤本さん提供)

 1月31日に放送されたテレビ番組で身元不明者として紹介された男性が、29年前に貞光町(現つるぎ町)で失踪した松岡伸矢(しんや)ちゃん=当時(4)=に似ているとの電話が1日、徳島県警に相次いだ。県警は近く、男性のDNA型鑑定を行う方針だ。

 番組はTBSの「緊急!公開大捜索'18春~今夜あなたが解決する!記憶喪失・行方不明スペシャル」。2014年7月に愛知県弥富市のショッピングセンターで保護されたという男性(推定25歳)を紹介した。この男性は幼い頃から見ず知らずの年上の男性と暮らし、20年近く軟禁状態にあったが、同年6月に脱走したという。

 放送後、県警本部や美馬署には「松岡伸矢ちゃんに似ている」といった情報が多数寄せられた。インターネット上にも同様の書き込みが相次いでいる。

 県警はこうした反響を考慮し、1日夕に伸矢ちゃんの両親に連絡を取り、両親のDNA採取の了解を得た。この男性のDNAの型と一致するかどうか、来週にも鑑定する方向で調整している。

 伸矢ちゃんの父正伸さん(60)は「皆さまから心配の声をいただき大変ありがたい。DNAが一致すればいい。テレビに出演した男性の情報が集まってほしい」と話した。

 親類の藤本弘子さん(77)=つるぎ町貞光=は男性の写真を見て「時間がたち過ぎて、はっきりとは分からない。本人であることを願いたい」と話した。

 伸矢ちゃんは茨城県牛久市の自宅から、藤本さん宅を訪れていた1989年3月7日朝、両親が40秒ほど目を離した間に行方が分からなくなった。

 県警は地元消防団などと共に、失踪現場近くの山林で大掛かりな捜索を実施。チラシを配ったりホームページを開設したりして、情報提供を呼び掛けたが、これまで行方はつかめていない。特定失踪者問題調査会は、北朝鮮に拉致された可能性を否定できないとして、「特定失踪者」のリストに入れている。