2016年の台風16号の際、だいち2号の観測データを基に送られてきた徳島県内の画像。赤い部分が浸水している可能性がある地域を示す(JAXA提供)

 徳島県は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の陸域観測技術衛星「だいち2号」が撮影した画像を、大規模災害時の被災状況把握に役立てる新防災情報システムの運用を始めた。ヘリコプターが飛べない夜間や悪天候時でも撮影できるため、迅速な被害状況の把握につながると期待されている。

 だいち2号は、高精度で地表の隆起や陥没を観測できる高性能マイクロ波センサーを搭載。災害発生後と過去の観測データを照らし合わせることで、土砂崩れや浸水被害が発生している可能性のある場所を特定できる。

 だいち2号は通常、午前0時と正午の前後に日本上空を通過する。災害発生後にJAXAに協力を要請すると、浸水や土砂崩れが発生した可能性がある地域を色分けして表示した地図データの速報が県のシステムに送信される。

 新システムでは、JAXAからの提供画像を、市町村や消防本部などの関係機関が瞬時に共有できる。別の地図データと重ね合わせることで避難所や道路の被害状況なども把握しやすくなる。

 県は2010年にJAXAと人工衛星の災害利用実証実験に関する協定を締結し、16年の台風16号で画像を浸水地域の把握に活用した実績がある。

 このほか、新システムでは大容量のデータ通信が可能となるとともに、地図機能の強化で被害状況が把握しやすくなった。防災メールサービス「すだちくんメール」も改善し、簡易に安否情報を入力できるようにした。

 新システムの導入費は約6千万円。県によると、JAXAと衛星画像の活用に関し、協定を結んでいる県は他にもあるが、正式にシステムに組み込み、運用するのは徳島が初めて。