確定申告の手続きをする納税者ら=徳島市のアスティとくしま

 2017年分の所得税などの確定申告が16日、全国一斉に始まった。徳島税務署の申告会場となった徳島市のアスティとくしまに申告に訪れた納税者からは、森友学園問題を巡る対応で責任を追及されている佐川宣寿国税庁長官への不満や批判の声が相次いだ。

 佐川氏は財務省理財局長だった昨年、森友学園への国有地売却に関する国会答弁で「交渉記録は廃棄した」などとする発言を繰り返したが、今年に入って交渉を記録した音声データや文書が見つかり、虚偽答弁の疑いが表面化している。

 毎年確定申告に訪れている船井康弘さん(94)=徳島市山城町東浜傍示=は、佐川氏が納税者に書類を保管するように指導する立場に就いていることに「違和感があり、不満だ」と表情を曇らせた。

 佐川氏は昨年7月の国税庁長官就任以降、一度も会見を開いておらず、真相は究明されていない。岸上令子さん(82)=同市飯谷町=も「納得できない。申告・納税は義務なのできっちりするが、佐川氏にはしっかり説明してもらいたい」と苦言を呈した。

 「税の信頼が揺らいでいるのに、佐川氏を擁護し続ける政府も大問題だ」と言うのは同市内で飲食店を営む50代男性。「正直、税金を払いたくなくなる」と憤った。

 一方、確定申告と佐川氏の国税庁長官就任は別問題とする声も聞かれた。堺大輔さん(30)=同市助任本町2=は「適正に申告するのは当たり前のこと。長官就任はただの役回りの問題で、気にもしていない」と淡々と語った。

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 来月15日まで

 徳島県内では、徳島税務署など6税務署が確定申告の受け付け会場をそれぞれ設けている。自営業者や給与所得が2千万円を超えるサラリーマンらが対象で、所得税の申告期限は3月15日。

 アスティとくしまでは16日、申告書を作成するためのノートパソコン44台が用意され、午前9時の受け付け開始から納税者が次々と訪れた。約60人のスタッフに不明な点を聞きながら、所得額や医療費控除額などを入力していた。

 四国アイランドリーグplusの徳島インディゴソックスの久保聖也、小原貴大両選手も申告手続きを体験し「インターネットを利用すれば、自宅でも簡単に作成し郵送で提出できる。ぜひ利用してほしい」とPRした。

 申告書にはマイナンバーを記載し、提出の際に本人確認書類を示す必要があり、各税務署は注意を呼び掛けている。

 阿南税務署は阿南市商工業振興センターに申告会場を開設。鳴門、川島、脇町、池田の4税務署は署内で受け付ける。土、日曜は休みだがアスティとくしまでは2月18日と25日も受け付ける。