約2年間、猫駅長を務めた「なる」=昨年9月、鳴門市北灘町の「きたなだ海の駅」(北灘漁協提供)

 徳島県鳴門市北灘町の「きたなだ海の駅」で駅長を務めていた猫「なる」が肺炎で死んだ。猫駅長として約2年、同駅のアイドルとして集客に一役買っていた。海の駅を運営する北灘漁協は今後、なるの功労をたたえ、等身大の石像を建立する。

 海の駅にある産直施設・JF北灘さかな市の中瀬啓子店長によると、なるは雑種の雄で推定5歳。昨年8月に熱中症、10月にぜんそく、11月に肺炎を患い、徐々に体力が落ちていた。11月中旬からは中瀬店長の自宅で療養していたが、今年1月23日に死んだ。

 ペットフード協会(東京)の2017年全国実態調査では「家の外に出る」猫の平均寿命は約14歳で、若い死に当たる。

 なるは2015年9月、さかな市の敷地内にやせ細った姿で現れ、北灘漁協の職員に保護された。漁協は16年3月、水産事業振興と観光事業発展を期待して駅長に任命。客との記念撮影に応じたり、海岸沿いを散歩したりと、愛くるしい姿が県内や香川、埼玉両県などの多くの人から人気を集めた。

 中瀬店長は「なるはサービス精神旺盛だった。なるに会えるかどうか、お客さんから電話が掛かってくることもあった」と振り返る。「寂しいが、感謝と『お疲れさま』の気持ちでいっぱいです」と涙を拭った。

 石像の建立は4月中旬で、場所は海の駅の敷地内。同漁協は、なるに続く2代目の猫駅長も検討する。