那賀町職員(右)からポリタンクに給水してもらう町民=午前10時25分ごろ、同町中山の中山公民館

 那賀町鷲敷地区の一部地域で21日午前、断水が本格的に始まった。町は「午後2時から」と周知していたが、20日に住民に告知して以降、想定以上に水道の使用量が増え、予定が前倒しとなった。同日中に地区の約8割に当たる1025世帯が断水となる見通しで、復旧のめどは立っていない。町は役場本庁舎など3カ所で給水している。

 高齢者施設や学校では、職員がトイレ用の水を確保するなど対応に追われた。高齢者施設の職員は「給水タンクはあるが、断水が何日間続くか分からない。町民への告知が急すぎる」と困惑した表情を浮かべた。

 同町和食郷の介護老人保健施設「ケアホーム鷲敷」には、20日夕方に町から連絡があった。職員は、慌ててトイレ用の水などを確保したが、毎日行っている入浴は中止にした。

 朝食は済ませたが、食器を洗う水がないため、食事メニューの変更を検討している。「あまりに急だったので戸惑っている。いつ再開するか分からないので心配だ」とこぼした。

 地区内に一つずつあるこども園と小学校、中学校には、町がトイレ用の水を届けた。昼食には食器を洗わずに済むよう、町教委がパンを配った。

 町内の小売店では、断水に備えて水を買う人の姿が見られた。同町中山のホームセンター「コメリハード&グリーン鷲敷店」では、20日夕から近隣の店舗に依頼して飲料水やポリタンクを確保。21日午前9時の開店と同時に買い求める住民が訪れた。

 2リットルの水6本入り1箱を購入した同町仁宇の主婦西村あい子さん(68)は「蛇口の水はすでにかなり減っており、いつ出なくなるのか不安。早く復旧してほしい」と話す。

 同町中山の中山公民館で給水を受けた同町阿井の主婦西谷ひとみさん(65)も「急に断水と言われても対応できない。早めに対策をしておけばこんなことにはならなかったのでは。町はきちんと説明してほしい」と注文を付けた。