地元・徳島でたびたびライブを行った大杉漣さん。脇町劇場でのステージでも熱唱=2009年10月24日、美馬市脇町の同劇場

 21日に急死した小松島市出身の俳優大杉漣さん(66)は、徳島県内で繰り返し音楽ライブを開き、サッカーJ2・徳島ヴォルティスの熱狂的ファンとしても知られた。県内でロケが行われた数々の映画にも出演し、古里との絆を大切にしてきた。突然の訃報に県内関係者やファンからは「ショックだ」「寂しい」と悲しみの声が聞かれた。

 大杉さんは1月21日に阿波市のアエルワホールで「大杉漣BANDライブ&トーク」を開き、エネルギッシュな演奏で観客650人を沸かせたばかりだった。アエルワ職員の松永和哉さん(29)=同市=によると、トークを挟んで約10曲を演奏。最後は阿波踊りを披露し、楽しませた。松永さんは「あれだけ元気な姿を見ていたので、亡くなった実感がない」と驚いていた。

 幼なじみで60年の付き合いがあり、1月のライブも手伝った一般社団法人わーくぴあ徳島の藤原学理事長(66)は「大杉さんの妻から連絡があったが、ショックで信じられない思い。22日に上京して荼毘(だび)に付される前にお会いしたい」と肩を落とす。元マネジャー大輪和美さん(44)=徳島市=も「真面目に仕事に取り組み、周囲に気遣いできる人。1カ月前に会ったときには、いつもと変わらず元気だったのに」と声を震わせた。

 熱心なサッカーファンだった大杉さんは、徳島ヴォルティスの試合にたびたび駆け付けエールを送った。球団の岸田一宏社長は訃報を受け、「熱い思いで応援していただいたことに感謝している。突然のことに驚いており、残念でなりません。心からご冥福をお祈りします」とのコメントを出した。

 大杉さんは「バルトの楽園」「人生、いろどり」「村の写真集」といった徳島を舞台にした映画に出演した。「村の写真集」にエキストラ出演した千葉秀治さん(59)=三好市、寝具店経営=は「時間が限られている中で記念撮影をお願いしても快く応じてくれ、優しい方だった」と振り返る。

 大杉さんは父正雄さんが小松島中学校の校長を務めた縁で、2016年の創立70周年記念式典に招かれ、講演していた。大杉さんの対談相手を務めた作詞家東根泰章さん(69)=小松島市=は「徳島の応援隊長のように古里にスポットを当て続け、全国発信してくれた。光を失ったような気持ちだ」と悼んだ。