大杉漣さんが注文したラーメンを前に、思い出を語る「ひろっちゃん」の谷店長=松茂町広島

 名バイプレイヤー(脇役)として映画やドラマに活躍し、21日に急性心不全で亡くなった小松島市出身の俳優・大杉漣さん(66)は、大の徳島ラーメン好きとしても知られた。昨年11月には、松茂町広島のラーメン店「ひろっちゃん」を訪れ、「おいしかったよ。また来るわ」の言葉と笑顔を残していた。

 大杉さんは2016年4月放映の人気テレビ番組「秘密のケンミンSHOW」(四国放送など)に出演し、地元・徳島の名店や老舗店を紹介するなど、徳島ラーメン好きを公言していた。

 そんな大杉さんが、「ひろっちゃん」を訪ねたのは昨年11月のこと。谷裕司店長(49)によると、鳴門ポカリスエットスタジアム(鳴門市)で開かれたサッカーJ2・徳島ヴォルティスのホームゲームを観戦した帰り、仕事仲間と6人で来店したと記憶している。

 大杉さんは肉入り中華そばとチャーハンのセットを注文。同行者も鶏の唐揚げなどを頼み、濃厚な豚骨しょうゆスープの徳島ラーメンを味わったという。

 大杉さんの才能を見いだした北野武監督作品で、大杉さんも出演している「アウトレイジ」シリーズのファンという谷店長は、突然の来店に感激。飲食代について「お代は結構です」と断ったが、結局、大杉さんが全員分の料金を支払った。

 大杉さんは帰り際、谷店長に「おいしかったよ。また来るわ」と声を掛け、風のように立ち去った。谷店長は突然の訃報に「次に来てくれたら、サインをお願いしようと思っていたのに、こんなこと(突然の死)になって、とても残念です」と目を潤ませた。

 ブログ「大杉漣の風トラ便り」には、「ひろっちゃん」の前で、にこやかに写真に収まるダンディーな大杉さんの姿が掲載されている。