四国森林管理局などの調査で剣山山系で確認されたツキノワグマの親子=2016年10月(同局提供)

 四国で唯一ツキノワグマが生息する剣山山系の生息環境を保全するため、自然保護団体「日本熊森協会」(兵庫県西宮市)は27日、那賀町境にある高知県香美市の民有林24ヘクタールを取得した。人工林化された山林を落葉広葉樹林に戻し、クマの餌場や移動経路を確保する。今後も周辺の山林の取得を続け、個体数の増加につなげる。

 日本熊森協会が取得したのは、香美市物部町の標高670~1340メートルの山林。スギやヒノキを伐採し、広葉樹を植林するなどして落葉広葉樹林化を図る。購入費は会員からの寄付金(金額は非公表)を充てた。

 四国のツキノワグマは人工林化や捕獲の影響で個体数が減少し、生息域は現在、剣山周辺に限られている。生息しているのは10~20頭程度とみられ、環境省の「絶滅の恐れのある地域個体群」に指定されている。

 協会は、クマの個体数が減少した一因として、人工林が広がりクマの餌場が少なくなったことを挙げる。これまでに全国各地で計225ヘクタールの人工林を取得し、落葉広葉樹林帯の回復を進めている。四国での取得は初めて。

 協会は「個体数を増やすためには生息地の拡大が急務。四国のクマを保全するために今後も山林取得を進めたい」としている。