徳島県小児科医会 日浦恭一(徳島新聞朝刊 満1歳にて掲載)

 最近、川崎病が増えていると言われます。発生数は年間1万5千を超えています。川崎病は高熱と発疹、頸部のリンパ節腫脹などを特徴とする疾患で心臓に後遺症を残すことがあり、大変重要な疾患です。今月は川崎病について考えてみました。

 小児科を訪れる患者さんの中で発熱を主訴にする患者さんは多いものです。発熱の原因疾患には感冒などのウィルス感染症が多いのですが、中に川崎病が隠れていることがあります。持続する発熱、原因のわからない発疹や全身症状が強い場合には注意が必要です。

 川崎病は原因不明です。日本人に最も多く、東アジア人に多く欧米人には少ない疾患です。兄弟間での発生や再発なども見られることから遺伝的な素因が関与して、何らかの感染症が契機になって発病するものと考えられます。

 川崎病で最も問題になるのは心臓冠動脈に病変を来すことです。川崎病では全身に血管炎が起こると言われます。その急性期に発生した冠動脈の拡張や冠動脈瘤は生命予後に大きく影響を及ぼします。

 川崎病が最初に発表された時には予後の良い疾患とされていましたが、その後症例数の増加と共に、突然死の子どもが存在することが判明しました。死亡した子どもの冠動脈には動脈瘤が発生していることが明らかになったのです。その後、川崎病の治療、管理には心エコー検査が欠かすことの出来ない検査となりました。川崎病ではいかに冠動脈病変を起こさずに治療するか、治った後も新血管系の経過観察が必要であるとされます。