この写真は徳島市の吉野川に架かる高徳線の吉野川橋梁(きょうりょう)を渡る急行列車を捉えたものだ。

 キャプションに撮影年がないものの、2色ツートンの車体の色や3両編成であることから、JRに移行する前の国鉄時代、1970年代に撮影されたものだと推測できる。

 写っているのは急行「阿波」。高徳線の徳島駅と高松駅を結ぶ列車である。当時は高徳線の最速列車で、ほぼ1時間に1本運転されていた。

 途中の駅に一切止まらないノンストップ運転が行われたり、グリーン車が組み込まれたりした編成もある、いわば高徳線の看板列車的な存在だった。

 1959年、地方線区の高速化とともに準急「阿波」として登場、68年に急行に格上げされた。88年の瀬戸大橋線開通に伴って高徳線に特急「うずしお」が導入され、「阿波」は牟岐線に移されたが、同線に特急が設定された90年に廃止された。

【写真説明】吉野川橋梁を渡る急行「阿波」。当時は県内で最も速い列車だった=撮影年不明、本社所蔵写真