名東郡の尾﨑選手にたすきをつなぐ藤本監督(左)=三好市池田町シマ

 第64回徳島駅伝(徳島陸協、徳島県、徳島新聞社主催)第2日の5日、52年ぶりのフル出場となった名東郡チームが懸命のたすきリレーを展開した。ベテラン勢が複数区間を走り、選手層の薄いチームをけん引。師と仰ぐ佐那河内村体育協会前会長の石本善之さん=昨年7月死去、享年(76)=への追悼の意を込めて阿波路を躍動した。総合順位は15位と苦戦しているものの「最後まで諦めない」を合言葉に、最終日も駆け抜ける。

 名東郡チームにとって今大会は「全区間を走って石本さんに恩返しをしよう」との特別な思いがある。藤本忠監督(46)=飲食業=は、ベテランや中堅選手に複数区間の出走を呼び掛け、選手たちはこれに快く応じた。
 
 オープン参加だった前回は1区間だけ出場した山本悠二選手(35)=広島県福山市役所=は、初日の8区に続き、この日は徳島市の鷲の門前を勢い良くスタート。8キロを28分27秒で走り、総合順位15位をキープした。「たすきをつなぐうちに、選手たちには勝ちたいという意識が芽生えてきた。チームの成長を感じる」と話した。
 
 今大会からチームに加わった阿部雅彦選手(47)=会社員=は、初日は11区、この日は30区を力走した。「フル出場という機会に恵まれ、うれしい半面プレッシャーもあった。無事に走り切れてよかった」
 
 藤本監督は、自らも選手として31区で懸命の走りを見せ、最終ランナーの尾﨑彩乃選手(14)=佐那河内中2年=にたすきを手渡した。
 
 選手たちは、腕や足にミサンガを着けて出場している。藤本監督の提案で、石本さんを追悼するためにスタッフが手作りした。最終日の40区で出場を予定している谷龍一郎選手(14)=同=は「石本さんに教わった『一秒を大切に』という言葉を胸に、一つでも順位を上げられるよう頑張りたい」と意気込んだ。