藤田一也選手=2015年

 星野仙一氏と共に2013年に日本シリーズで優勝した楽天の藤田一也内野手(35)=鳴門市出身=は6日未明、チームメートからの電話で星野さんの死去を知り、驚きでしばらく言葉が出なかった。
 
 2012年のシーズン途中、星野氏が率いる楽天にトレードで移籍し、14年まで指導を受けた。首位争いをしていた13年、こんな言葉を掛けられたことがある。「お前は守るだけでいい。バッティングには期待していない」
 
 額面通り受け取ると厳しいようにも思えるが、本心であるはずがない。星野氏ならではの温かい励ましを受け、「楽にプレーができるようになった」と振り返る。
 
 同年、キャリアハイとなる打率2割7分5厘、48打点を記録。球団初のリーグ優勝と日本一に貢献し、ゴールデングラブ賞とベストナインも受賞した。
 
 選手を褒めることが少ないといわれる星野氏だが、リーグ優勝を果たしたとき、メディアを通じて「藤田の守備で10勝は稼いだ」と賛辞を送った。
 
 直接的には笑いながらではあったが「優勝できたのはお前のおかげでもあると言ってくれてうれしかった」と話す。「現役を続けられているのは、星野さんが使い続けてくれたから。野球人生ががらっと変わった」
 
 星野氏と最後に会ったのは昨年11月末、東京都内で開かれた星野さんの野球殿堂入りを祝うパーティーだった。「恩返しとして個人的にはキャリアハイを更新、チームとしては日本一を達成し、いい報告ができるようにこの一年を頑張りたい。心よりご冥福をお祈り致します」と話した。