日本ハムを退団し、社会人野球の日本通運に復帰した武田=東京都内

 プロに入る前の2年間を過ごした社会人野球を、再出発の場所に決めた。昨季で日本ハムを退団した武田久投手(39)=徳島市出身=がコーチ兼任で日本通運に復帰した。170センチと小柄ながらセーブ王に3度も輝いた右腕は「アマの(一発勝負の)負けられない緊張感で、また野球ができる喜びがある」と意気込みを語った。

 15年在籍した日本ハムで徐々に登板機会が減り自由契約となった。現役にこだわり、移籍先を模索していた中で古巣から打診を受けた。「プロでもアマでも関係ない。日本通運を日本一にしたい」と迷いはなかった。

 前回プレーした当時はコーチだった藪宏明監督が、会社に獲得を願い出た。プロで活躍して大金を手にしても、オフには古巣の練習場で黙々と走り続ける、変わらぬ姿に胸を打たれていた。

 日本通運は2016年の日本選手権、昨年の都市対抗大会とも決勝で敗れた。監督は「野球に取り組む姿勢を選手に伝えてほしい。あと1勝で日本一になれていないチームに力を貸してほしい」と期待を込める。

 プロ通算534試合登板、167セーブの実績を持つ武田は、恩返しの思いも胸に抱く。社会人野球はチーム数の減少、クラブ化など環境が著しく変化している。「社会人野球を盛り上げる使命感もある。底辺拡大やレベルアップなどの力になれれば」と新たな挑戦へ意欲を駆り立てている。


 ◆武田久(たけだ・ひさし) 生光学園高から駒大に進み、日本通運で2001年から2年間プレー。1年目の都市対抗大会では大会史上6人目となる毎回の14奪三振を記録し、新人賞の若獅子賞を受賞した。03年にドラフト4位で日本ハムに入団。セットアッパーや守護神として活躍し、プロ通算成績は534試合で31勝30敗167セーブ。3度のセーブ王に輝いた。