まろやかで甘い雨水

 沖縄県本島北部に位置し、豊かな自然に囲まれた名護市。同市田井等(たいら)の多野岳麓に位置する羽地ダムの上流側の林道脇に、2本のパイプが山裾から伸びており、多野岳に降った雨水が、森の木々や土に磨かれ、まろやかで甘い清水となって流れ出している。地元の人のみならず、沖縄本島中南部からも水くみに訪れる人が後を絶たない。

水が容器にたまっていくのをのんびりと待つ家族連れ=沖縄県名護市田井等

清水が流れるパイプは、約20年前に行われたダム建設前の道路工事の際、作業員が飲み水とするため設置した。その後、甘みを感じる味が地元住民に評判となり、現在のような人気スポットとなった。

取材に訪れた日も、持参したポリタンクに甘く澄んだ清水がたまるのをのんびりと待つ人たちの姿があった。沖縄市から訪れた冨名腰(ふなこし)朝助(82)さんは「ここの水が一番おいしい。泡盛とも合う」と笑った。本部(もとぶ)町でベゴニア園を営む具志堅はつさん(67)は「この水でいれたコーヒーは味が全然違う。お客さんに出すコーヒーもこの水を使っている」と胸を張った。(写真と文・新里圭蔵=琉球新報)=おわり

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