過去に繰り返し海部郡を襲った南海地震を記録した古文書「震潮記(しんちょうき)」を現代語訳した田井晴代(たい・はるよ)さんが、自宅で死去していたことが16日分かった。84歳。病死とみられる。自宅は海陽町宍喰浦宍喰133の1。葬儀・告別式は18日正午から、海陽町久保板取207のセレモニー会館たるいで。喪主は長男昭(あきら)氏。

 阿南市羽ノ浦町出身。1989年、夫・進さんの先祖で宍喰(現海陽町)の組頭庄屋だった久左衛門宜辰(よしたつ)が記した震潮記の原本を自宅で発見。県立文書館で古文書の読み方を学んで7年がかりで現代語訳し、2006年には自費出版した。

 震潮記は安政南海地震(1854年)に遭遇した宜辰が自身の被災体験とともに、過去に宍喰を襲った永正(1512年)、慶長(1605年)、宝永(1707年)の地震・津波を伝える古文書や石碑を筆写した古記録集。磯田道史・国際日本文化研究センター准教授ら、全国の研究者から注目を集めた。

 震潮記の教訓を伝える語り部として、講演や地域での防災啓発活動に熱心に取り組み、2016年に牟岐町であった「昭和南海地震70年フォーラム」でも登壇した。

 遺族によると、晴代さんは1人暮らし。15日早朝に新聞配達員がたまっている新聞に気付き、亡くなっていることが分かった。