政府は2014年度補正予算案を閣議決定した。昨年12月に決定した経済対策の裏付けとなる予算で、歳出総額は3兆1180億円となった。
 
 昨年4月の消費税率引き上げなどで個人消費は低迷し、景気は先行きの不透明感が拭えない。予算と施策の内容について、今月下旬に召集される通常国会で十分に論議し、国民生活の向上に役立ててもらいたい。
 
 補正予算案では、消費喚起に向けた交付金創設など生活支援策に1兆1854億円を充てた。生活必需品の高騰などに悩む家計の負担軽減を図る施策が柱だ。
 
 地方企業支援などの地方再生関連には5783億円を計上し、昨年12月にまとめた人口減少対策の総合戦略を先行実施する。
 
 経済対策の目玉として4200億円の地方自治体向け交付金を創設する。交付金は2種類で、自治体や商店街が発行する商品券などを助成する消費喚起分(2500億円)と、自治体による地方版総合戦略づくりや移住促進、雇用対策に活用する地方創生分(1700億円)だ。
 
 地元の実情に応じて使い道を決められるため、有効活用に向けて、各自治体の知恵が試される。
 
 中小企業の支援では、革新的な設備への投資や試作品の開発支援に1020億円を計上。地域資源を活用した「ふるさと名物」の開発や販路開拓も支援する。
 
 徳島県はLED関連産業が集積し、農林水産物も豊富だ。これら支援策を有効に活用したい。
 
 消費税増税で低迷する住宅市場の活性化には、省エネなどの基準を満たす住宅の新築や改築をした場合に「住宅エコポイント」をもらえる制度の復活など、2095億円を充てた。
 
 さらに、働く女性にとって切実な保育所の整備も前倒しで進め、待機児童の解消を目指す。
 
 いずれも一定の効果が見込めそうだが、従来の焼き直しともいえる施策も目立つ。もっと、工夫が要ったのではないか。
 
 災害復旧関連では、広島市の土砂災害など大規模災害の復旧を進めるほか、東日本大震災の復興事業に活用する特別会計に9844億円を繰り入れる。早期復興を目指して、被災者の生活支援やインフラ整備を進めてほしい。
 
 このほか、国公私立学校の耐震化費用として1100億円を盛り込んだ。震度6強の揺れでも倒壊の恐れが少ない建物にする耐震化を進める。南海トラフ巨大地震や首都直下地震に備えた積極的な対応である。
 
 補正予算案の財源には、景気回復による14年度の税収増加分1兆7250億円などを充てた。14年度当初予算に計上した41兆2500億円の新規国債の発行額は7571億円減額した。
 
 補正で国債発行額を減額するのは8年ぶりだ。20年度に基礎的財政収支を黒字化する目標の達成は難しいが、財政健全化に向けた取り組みは進めなければならない。
 
 予算規模は13年度補正の約5兆5千億円に比べて大きく抑制された。限られた予算に盛り込まれた各種支援策や補助制度をどう生かすかは、利用する自治体や企業、国民次第だ。無駄を省きながら、地域活性化を進めたい。