これほど残忍な犯罪を、どうして行うことができたのか。

 川崎市の多摩川河川敷で中学1年の上村遼太君(13)の遺体が見つかった事件で、川崎署が殺人容疑で18歳と、17歳2人の少年計3人を逮捕した。

 上村君が利用していた無料通信アプリの通信記録や、防犯カメラの映像などから3人が関わったと判断した。

 容疑が事実だとすれば到底、許されることではない。

 警察は慎重に調べを進め、犯行の動機や背景など、事件の全容を解明してもらいたい。

 上村君は19日夜に外出し、20日午前2時ごろ、死亡したとされる。首の後ろから横に鋭利な刃物による切り傷や刺し傷が集中し、顔や腕にも無数の傷があった。冷酷極まりない手口に強い怒りを覚える。

 島根県沖の自然豊かな島で育った上村君は、小学6年の夏に川崎市に転校した。明るい性格で周囲に笑いが絶えず、中学校でも友人が多かったようだ。

 友人によると、昨年11月に年上のグループと関わるようになり、今年に入って不登校になった。グループから暴力を受けていることを友人に打ち明け、「殺されるかもしれない」と漏らしていたという。

 顔を腫らしていたのに、周囲は気付かなかったのだろうか。担任教師は家庭訪問を続けていたが、救い出せなかった。

 なぜ事件が起きてしまったのか。異変がありながら、なぜ防ぐことができなかったのか。

 文部科学省は対策会議を設け、再発防止策を検討する。学校や市教委などの対応をしっかりと検証してもらいたい。

 周囲の大人や地域にもできることはなかったか。同じ悲劇を繰り返さないために、真剣に考えなければならない。