西日本高速道路が整備を進めていた徳島自動車道・鳴門ジャンクション(JCT)-徳島インターチェンジ(IC)間10・9キロが、きょう開通する。

 これにより、徳島道と高松道、神戸淡路鳴門道が直結する。県都徳島市が京阪神や瀬戸内方面とつながる意義は大きい。

 待望の開通を、徳島県内の高速道整備の弾みにしたい。

 鳴門JCT-徳島IC間は片側1車線の暫定2車線で利用を開始する。対面通行で制限速度は時速70キロだ。西日本高速は1日の通行台数を4千~5千台と試算している。

 通常料金は、鳴門IC-井川池田IC間が普通車で2450円。従来の高松道の鳴門IC-板野IC間と、徳島道の藍住IC-井川池田IC間で高速道を利用し、板野から藍住までは一般道を通るルートよりも、130円割高だ。

 だが、高速道の乗り降りの不便が解消されるのは、大きなメリットである。一般道の朝・夕の渋滞を避けることができるため、観光バスは大事な定時性が確保される。

 これまで京阪神から高速道経由で瀬戸内方面に流れていた観光客を、本県が取り戻す好機だ。観光業界は「訪日外国人観光客らの誘致やバスツアーなどを提示できる」と指摘する。県市町村とともに、旅行商品の開発や徳島観光のPRに全力を挙げてほしい。

 1998年の明石海峡大橋開通では本県から京阪神に買い物客が流出するストロー現象が起きた。この反省に立ち、阪神から人を呼び込む施策を強化すべきである。

 開通に伴い、徳島阿波おどり空港の利便性が向上することにも注目したい。松茂パーキングエリア(PA)には、県や町が推進した自動料金収受システム(ETC)搭載車専用の松茂スマートICを開設。ICと空港を結ぶ約1・3キロの県道の延伸区間も同時開通させる。

 県は、淡路島南部や香川県東部からの空港利用客の増加にもつなげたい考えだ。地域間競争が激しさを増す中、交流人口の増加と物流活性化に向け、県や企業関係者は知恵を絞らなければならない。

 近い将来の発生が懸念される南海トラフ巨大地震などの際は、防災面の効果も期待できる。開通区間は県の津波浸水想定(3~4メートル)を上回る8~9メートルの高さにあり、国道の迂回路として負傷者や支援物資の輸送に役立つだろう。

 徳島、鳴門両市、北島、松茂両町の沿線7カ所に津波避難場所を設けたのも心強い。松茂PAと合わせて住民約4100人が一時避難できる。

 松茂PAは震度6弱以上で自動解錠する防災備蓄倉庫や自家発電設備を備えるなど、地域の防災力は高まった。

 西日本高速は県南への延伸に向けて、徳島JCT-徳島東IC間(4・3キロ)を2015年度に着工し、19年度開通を目指す。

 国と県が整備する新直轄区間の徳島東IC-阿南IC間(17・7キロ)では工事や用地買収が行われている。徳島東IC-小松島IC間(7・7キロ)は早期着工へ用地買収を進める。小松島IC-阿南IC間(10キロ)ではトンネルや橋の建設工事を推進する。

 県南延伸は、地域経済活性化、医療環境の充実、暮らしの向上など、さまざまな波及効果をもたらす。県勢発展へ早期整備が不可欠である。