いかなる理由があれ、卑劣なテロは許せない。安倍晋三首相ら世界の首脳が「強く非難する」と述べたのは当然だ。

 チュニジアの首都チュニスにある博物館で、武装集団が外国人観光客らを襲撃し、銃を乱射した。日本人を含む60人以上が死傷した。

 家族の心痛はいかばかりか。犠牲者に哀悼とお見舞いを申し上げる。

 事件の全容はまだ明らかになっていないが、チュニジア政府はイスラム過激派の犯行と断定した。日本政府は事実の確認を急がなければならない。

 これまでの情報によると、博物館前で軍服姿の武装集団が車を降り、バスから降りてきた観光客を銃撃、館内に押し入り乱射した。しばらく立てこもったが、突入した治安部隊が2人を殺害した。

 治安当局は他に複数の人間が関与した可能性があるとみている。再発防止へ摘発に全力を挙げてもらいたい。

 チュニジアは「アラブの春」で民主化の模範とされ、比較的治安が安定していた。しかし、最近はイスラム過激派が伸長しているという。

 テロは世界で頻発しており、どこにいても安全ではなくなった。外務省は渡航者や滞在者に的確な情報を出すことが大切だ。渡航者らも安全を確保するために細心の注意を払う必要があるのは言うまでもない。

 日本にとっては、過激派組織「イスラム国」による邦人人質事件に続く惨事となった。今回もイスラム過激派の犯行だとしても、イスラム教徒への偏見を広げてはならない。

 政府は国際社会と連携し、テロ対策を強める必要がある。ただ、武力行使とは一線を画し、テロの温床となる貧困の解消などに努めるべきである。