仙台市で開かれていた第3回国連防災世界会議が、2030年までの国際行動指針「仙台防災枠組」を採択し、閉幕した。

 各国が実施する対策を盛り込み、死者数や被災者数の削減など七つの指標を設定した。

 日本などが主張した数値目標が、発展途上国などの反対で見送られたのは残念だ。しかし、国連として初めて減災目標を具体的に設け、達成に向けた取り組みを各国に求めた意義は大きいといえる。

 途上国の防災力強化に向けた国際協力の拡充が盛り込まれたのも評価できる。地球温暖化で災害規模が拡大、激甚化している中で、不可欠な取り組みだ。

 グローバル化が進んだ今、災害の影響も広く波及する。進出企業がその国の災害の影響を受けるのも一例だ。感染病の拡大も防がなければならない。協力は自国の利益につながろう。

 目標設定が、災害対策が遅れている途上国への支援拡大や、地球規模での防災力底上げにつながることを期待したい。

 日本は阪神大震災、東日本大震災など、大きな災害を経験してきた。これにより、気象観測や地震警報システム、耐震化技術、食料や水の備蓄、災害医療の拡充など、教訓が蓄積されている。経済的な支援だけでなく、それらも世界に伝えたい。

 逆に、劣悪な仮設住宅の改善など、日本が学ぶべき点も少なくない。

 気掛かりなのは、先進国と途上国の対立が会議に影を落としたことだ。途上国は基金などの設置で一層の支援を求め、先進国が難色を示した。気候変動に関しても先進国の責任に触れる文言で調整が難航した。

 だが、今こそ世界が災害への危機感を共有し、連携をさらに強めなければならない。