統一地方選の第1弾となる徳島県知事選がきょう告示され、来月12日の投開票に向けた選挙戦がスタートする。

 立候補を表明しているのは4選を目指す無所属で現職の飯泉嘉門氏と、共産党新人で県議の古田美知代氏の2人である。

 地方は今、少子化や人口減少という深刻な課題を抱えている。半面、都市部から移住を希望する人が増えるなど、再生への明かりも少し見え始めている。

 そうした中、本県はどんな道を歩んでいけばいいのか。どのような将来像を目指すべきなのか。
 両氏の訴えをよく聞き、今後4年間のかじ取り役を選びたい。

 3期12年間、知事を務めてきた飯泉氏にとっては、これまでの県政運営が評価される選挙でもある。

 先に発表した公約集では、冒頭に3期目の実績を紹介している。

 割高だった本州四国連絡道の「全国共通料金制度」実現や、サテライトオフィスの誘致、農林水産物の輸出額増、自然エネルギー導入の推進などだ。

 多岐にわたっているが、それによって県民の暮らしはどう変わったのか。1、2期目の実績も合わせて、じっくりと吟味したい。

 公約集は、4期目の基本理念に「『一歩先の未来』を具現化するオンリーワン徳島の実現」を掲げた。

 その上で「地方回帰・加速とくしま」「経済・好循環とくしま」の実現など、七つの基本目標と200項目に上る具体策を並べている。

 前回知事選で挙げた170項目を上回り、続投への強い意欲を示したといえよう。

 これに対して、古田氏は飯泉県政批判を前面に打ち出している。

 公約は「VS安倍政権・CHANGE飯泉県政で安心・元気・希望の徳島へ」と対決姿勢を鮮明にし、「県民の声が生きる県政へ」と呼び掛ける内容だ。

 訴えの柱を「くらし・教育」「地域経済」「防災対策」「女性・青年」の四つに絞り、国保料の1人1万円引き下げや介護の負担軽減、中学校3年までの少人数学級化、家族農業への支援重視など16項目の政策を挙げた。

 選挙戦では、飯泉氏の多選批判も強める構えだ。

 両氏とも、公約に数値目標を盛り込むなど工夫は見られるものの、キャッチフレーズを羅列しているとの印象も拭えない。

 掲げた政策をどう実現させるのか。財源の裏付けはあるのかを含め、選挙戦を通じて分かりやすく説明してもらいたい。

 気になるのは、県民の関心が高まっていないことだ。

 背景には、3回連続で現職と共産党新人の一騎打ちという同じ構図になっていることがあろう。

 県議会の自民、公明、民主系各会派が飯泉氏を推薦し、事実上の相乗りとなったのも前回と同じである。今回は自民党県連も推薦した。

 政府が「地方創生」を看板政策に掲げ、これまで以上に地方の知恵と行動力が試される時である。県のリーダーを選ぶ有権者の責任は重大だ。

 投票日までは18日間と時間は十分にある。公約を丹念にチェックし、しっかりと判断を下したい。