徳島銀行(徳島市)と香川銀行(高松市)の持ち株会社トモニホールディングス(HD、高松市)が、来年春にも大阪市の大正銀行と経営統合する方向で協議を進めていることが分かった。

 大正銀の筆頭株主である三菱UFJフィナンシャル・グループ(東京)を含む関係者で最終調整しているという。

 大企業が集中する関西圏での市場拡大を目指すトモニHDにとって、その拠点を増強する意義は大きい。

 徳島県にとっても朗報だろう。地域の中小企業を支え、成長を後押しする徳島銀の発展につながるからだ。

 統合によってトモニHDの経営基盤が強化され、徳島経済の活性化に一層貢献するよう期待したい。

 トモニHDが経営統合へと踏み切った背景には、基盤とする徳島、香川両県の人口減少が進み、資金需要の先細りが避けられないとの判断があるとみられる。生き残りを懸けた動きといえよう。

 関西圏への進出は、2010年に徳島、香川両銀行が経営統合して発足した当初からの戦略だったとされる。徳島銀は大阪、兵庫に10店舗、香川銀は大阪に5店舗を開設し、徐々に営業エリアを広げてきた。

 一方、大正銀は大阪、兵庫、京都に26店舗を置く第二地銀で、住宅ローンで強みを持っている。地元の工務店が手掛ける住宅建設の融資を通じて、住宅ローンを提供するビジネスも得意だ。

 ただ、預金量は昨年9月末時点で4105億円と少なく、不動産関連以外への進出を探っているといわれる。

 加えて、地銀を系列化している大手銀行の事情が変化したことも追い風となった。

 国際業務の拡大に力を入れる大手銀が、地銀を系列に持つ利点は薄れている。三菱UFJも例外ではない。

 3者の思惑が一致した結果といえるが、大切なのは経営統合のメリットをどう生かすかである。

 関西圏の経済規模は巨大だが、大手行や地銀、信用金庫も多く、業容を拡大させるのは容易ではない。トモニHD、大正銀双方の強みを最大限に引き出せる戦略を描く必要がある。

 貸し出しだけではなく、新規事業の展開を目指す企業の計画づくりや、相続などに関する個人預金者への助言など、地銀に求められる役割は広がっている。

 経営の効率化や人事交流を進める中で、地銀としての質を高め、新たなビジネスモデルを構築してもらいたい。

 地銀をめぐっては、昨年秋に横浜銀(横浜市)と東日本銀(東京)が経営統合を表明するなど、再編の動きが全国で加速している。

 いずれも、人口減少で経営環境が厳しくなるとの危機感があり、地銀間の競争は今後ますます激しくなることが予想される。

 トモニHDと大正銀との経営統合の効果に注目したい。