4年に1度の統一地方選が終わった。
 
 徳島県内では前半戦の知事選、県議選に続いて、きのう石井、牟岐の両町長選と徳島、小松島、牟岐、松茂、佐那河内の市町村議選が投開票された。
 
 今年は「地方創生元年」とされ、地方の知恵と行動力が従来以上に問われている。
 
 4選を果たした飯泉嘉門知事をはじめ、当選した首長、議員には掲げた公約の実行に全力を尽くすよう求めたい。
 
 人口減少や少子化など、本県を取り巻く環境は厳しさを増している。医療・福祉の充実や経済の活性化と、県民が求める施策は多様であり、どれも切実なものだ。南海トラフ巨大地震への備えも、着実に進める必要がある。
 
 県議会では昨年、政務調査・活動費の不正受給で2人が辞職した。新県議は制度の見直しなどに当たり、信頼回復に努めなければならない。
 
 市町村が抱える課題もさまざまだ。住民の声に耳を傾け、暮らしやすい地域づくりを目指してもらいたい。
 
 選んだ有権者の責任も大きい。首長と議員のなれ合いを防ぎ、緊張感を生み出すには、住民の厳しい目が欠かせない。
 
 残念だったのは、投票率が落ち込んだことだ。
 
 知事選は40・63%と戦後2番目の低さとなり、県議選は平均45・53%と過去最低を更新した。有権者の半数以上が棄権したのは危機的な状況といえる。
 
 町長・市町村議選の投票率も全般に低迷した。
 
 東京一極集中が進む中、県内では限界集落が増え、自治体の消滅も危惧されている。誰が政治を担っても同じだと思うのは禁物だ。投票所に足を運ばなかった有権者にはいま一度、一票が持つ重みを真剣に考えるよう訴えたい。
 
 無投票当選も目立ち、県議選では14選挙区のうち7選挙区と過去最多になった。市町村でも神山、那賀両町長選と北島町議選、神山町議補選が無投票だった。
 
 投票率の低下と無投票の増加は全国的な傾向であり、このままでは民主主義を支える選挙が空洞化してしまう恐れがある。
 
 地道な啓発活動を進めるとともに、投票環境の改善も求められる。
 
 今回の統一選では、大阪大や高知大など8府県の11大学が、キャンパス内に期日前投票所を置いた。身近な場所に投票所があること自体が啓発につながる。本県でも検討してほしい。
 
 公選法改正により、早ければ来年の参院選から選挙権年齢が18歳以上に引き下げられる。若い世代の主権者教育を充実させ、投票率を底上げしなければならない。
 
 ただ、何より重要なのは、選ばれた人たちがどのような仕事をするかである。首長と議員は向こう4年間、有権者の期待と負託に応えられるよう、しっかりと取り組んでもらいたい。