あなたの声議会に届いていますか

 「これってマタハラじゃないのかな」「非正規で雇用されて搾取されている気分」「介護で仕事を辞めないと・・・」―。暮らしの中で、不条理に思っていることはありませんか。その声は議会に届いていますか。10月に投開票された衆院選で誕生した女性議員の割合は全体の1割余り。世界でも最低水準です。議会に女性の声がもっと響けば、私たちの生きづらさもましになるはず。政治の話をしませんか。

10月の衆院選で、四国から小選挙区および比例代表で選出された議員17人のうち、女性はゼロだった。四国には198万人余りの女性が住むというのに・・・。全国で当選した女性は47人で、全体の10・1%だ。前回の衆院選より2人増えたが、政府が掲げる「2020年までに30%」という目標には程遠い。

世界はもっと先に進んでいる。列国議会同盟(IPU)の今年9月の調査では、47カ国で30%を超えている。議員の一定割合を女性とする「クオータ制」を導入するのは約120カ国ある。

日本でも先の通常国会で、候補者をできる限り男女均等とする努力義務を政党に課した「政治分野における男女共同参画の推進に関する法律案」が成立する見通しだった。しかし、森友・加計(かけ)問題などで審議が後回しにされた末、廃案に。仕切り直しとなっている。

ここで改めて考えたい。そもそも、なぜ議会に女性が必要なのか。

「人口比から考えても、議員は男女半々いて当然でしょう」と話すのは「阿波女を議会に!バックアップスクール」を主宰するなど、女性議員を増やす活動を続けてきた諏訪公子さん(74)=徳島市。「女性が議会に入ることで、ジェンダーの視点も政策に反映される」とも強調する。

過去を振り返ると確かにそうだ。社会党の土井たか子委員長が1989年の参院選で巻き起こした「マドンナブーム」で、同院女性議員の割合は8・7%から13・1%に伸びた。結果、90年代には男女共同参画社会基本法(99年)など女性に関わるさまざまな法律が成立している。

今も女性の地位向上を目指して講演活動にいそしむ乾晴美さん(83)=徳島市=も89年当選組だ。参院選徳島選挙区に連合の会から出馬し、女性支持者の後押しを受けて、自民党前職に圧勝した。

乾さんの話を聞くと、女性のために、女性議員が汗を流した様子が分かる。例えば91年に成立した育児休業法。男女共に1年間育児休業ができることを可能とした法律だ。

当選後、参院社会労働委員会に配属された乾さんはこの法案の作成に取り組んだ。その中で、休業中の給与補償を認めない自民党と押し問答に。当時の労働相に、乾さんは「賃金なしでは休みにくい。法律は絵に描いた餅になる」と食い下がった。しかし、かなわず補償なしに。「悔しくて泣けた」

ただ、「付帯決議では所得補償について書き込むことができた。その後に道筋を付けられたと思います」。同法は改正が重ねられ、現在は休業前賃金の50~67%が給付されている。

平和や憲法についても、女性たちは子どもを産み、育てるという立場から積極的に声を上げてきた。2015年に成立した安保関連法を巡っては、全国で母親たちが反対の声を上げた。徳島では4人の子どもの母である大西さちえさん(44)=徳島市=が「安保関連法に反対するママの会徳島」を結成し、市民集会を開催した。

大西さんは翌16年の参院選で「国民怒りの声」から全国比例区で出馬もしている。落選したものの、「意見を言うことが大事。私も社会への呼び掛けをしたかった」と率直に語る。

最初の問いに戻ろう。果たして私たちの声は議会に届いているだろうか。乾さんは言う。「議会に女性が入らないといけない。外から何を言っても、聞いてくれるか分からないんだから」。

 <政治分野における男女共同参画の推進に関する法律案>国会や地方議会の選挙で、候補者数をできるだけ男女均等にする努力義務を政党に課す理念法。政党には女性候補者数の目標設定を、国や自治体には啓発や必要な環境整備を、それぞれ求めている。