大阪府寝屋川市の市立中木田中1年の平田奈津美さん(13)が殺害、遺棄された事件は、共に行動し行方不明となっていた同級生の星野凌斗君(12)も、遺体で発見される最悪の結果となった。

 卑劣極まりない犯行に強い憤りを感じる。

 理不尽に命を奪われた平田さんと星野君の冥福を心から祈る。

 事件では、寝屋川市に住む職業不詳の山田浩二容疑者(45)が死体遺棄の疑いで逮捕された。捜査本部は事件の徹底解明を急いでもらいたい。

 平田さんは高槻市の物流会社の駐車場で、頭部に粘着テープが巻かれた遺体となって見つかった。星野君の遺体が発見されたのは、駐車場から南に約30キロ離れた柏原市の山中で、顔などに粘着テープが付着していた。

 捜査では、現場周辺の防犯カメラに写った不審車などの映像から山田容疑者が浮上した。柏原市のコンビニで粘着テープを購入する姿も確認された。

 平田さんと星野君の2人は12日夜、一緒に外出したとみられている。2人が最後に確認されたのは13日午前5時10分ごろで、京阪寝屋川市駅前の商店街の防犯カメラに写っていた。平田さんはこの日の深夜になって、遺体で発見された。

 事件では、防犯カメラに写った不審車両の映像などが、容疑者特定に大きな役割を果たした。捜査本部は、映像から山田容疑者の行動を分刻みでつかみ、「点」から「線」に再現。星野君の遺体発見現場にもたどり着いた。

 今、町のあちこちに設置された防犯カメラが、犯罪に目を光らせている。罪を犯した者は、全てのカメラをすり抜けて逃げ切るのが極めて困難だということを、十分に知るべきだ。

 2人の同級生たちは突然の友人の死に、大きなショックを受けているようだ。心のケアも必要である。

 夏休みでもあり、自由な時間を持て余している子どももいるだろう。再発防止の取り組みは急を要する。

 深夜、町をさまよう少年や少女の姿を見かけたら、大人たちは見て見ぬふりをするのではなく、犯罪から守るために注意するか、警察などに通報してほしい。

 各家庭も、子どもが夜、無用の外出をしないよう、徹底したい。

 2月に川崎市で、中学1年の男子生徒が夜間外出し、少年に殺害される事件が起きたのは、まだ記憶に新しい。

 凶悪な犯罪者や不良少年たちの前に、世間知らずの子どもたちは無力である。家庭と学校、地域社会が連携を密にして、子どもたちの夜遊びを防ぐ手だてを講じ、健全育成を図りたい。

 子どもや若者が犠牲になる事件が起きるたびに、何とかできなかったかとの思いが募る。対策が後手に回らないよう、あらかじめ、犯罪の芽を摘むことが大事だ。