成人年齢の見直しを検討している自民党の特命委員会が、民法で「20歳」と定める成人年齢を「18歳」へ引き下げるよう、政府に求める提言案をまとめた。党内手続きを経て、今月中にも提出する。

 見直しは、改正公選法の成立で選挙権年齢が「18歳以上」に引き下げられたのを受けたものだ。選挙権を持つ大人と認められるのだから、一定の社会的責任を負うべきだとの考えは理解できる。

 ただ、民法の成人年齢には飲酒、喫煙の禁止年齢や少年法の適用年齢など、約200本もの法律が関係している。それらを一律に見直そうとすれば混乱を招こう。

 影響が大きいだけに、幅広い国民の合意が不可欠だ。個々の事情に応じた丁寧な議論を進めるよう求めたい。

 特命委で焦点となったのは「20歳未満」の飲酒、喫煙の禁止年齢を「18歳未満」に引き下げるかどうかだった。これについて提言案は結論を見送り、賛否両論を併記した。

 委員から引き下げへの異論が相次いだためだが、当然だろう。

 日本医師会や日本禁煙学会など、多くの団体や専門家も反対してきた。

 年齢が低いうちから酒やたばこに手を出せば、依存症になる恐れが強くなり、生活習慣病やがんになるリスクも高まるとされる。健康に悪影響があるのは明らかで、課題となっている医療費抑制の流れにも逆行する。

 事故や暴力など、社会問題が発生する危険性も高まろう。たばこを吸える生徒と吸えない生徒が混在すれば、高校での指導は困難になる。

 委員の間には「18歳を大人と定めるなら、自己責任で認めるべきだ」といった意見もあった。だが、若年者の健康をむしばみ、非行を助長させてはいけない。

 禁止年齢は現行通りとするのが妥当である。

 少年法の保護対象年齢については、「20歳未満」から「18歳未満」へ引き下げるべきだとした。

 一方で、18歳、19歳の若者が精神的に未発達と判断された場合は、特例の保護措置を適用する制度の創設を検討すべきだとも提案した。

 20歳未満を原則保護処分としている現行の少年法は、20歳までは人格形成の途上にあり、矯正教育で立ち直らせることができるとの考えを重視したものだ。

 このため、20歳未満は全て家庭裁判所に送って育成環境や非行に至った原因を調べ、少年院送致などの処分を決めている。刑事処分になるのは検察官送致(逆送)された場合だけだ。

 提言案は18歳、19歳を原則刑事処分とするものだが、再犯防止や更生の可能性が狭められるとの声は、与党内でも少なくない。

 少年法の根幹に関わる問題である。特例の保護措置をどう有効に機能させるのかといった課題を含め、慎重に検討する必要があるだろう。