野球・ソフトボール、空手、スケートボード、スポーツクライミング、サーフィン。2020年東京五輪の大会組織委員会が国際オリンピック委員会(IOC)に実施を提案した追加種目だ。5競技、計18種目に及ぶ。

 国民的人気が高い野球は、ソフトボールと統合された1競技となり、08年北京大会以来、悲願の五輪復帰へ前進した。日本はどちらもメダルを狙える力があり、国民の注目度を高めるためにも、欠かせない競技だ。

 空手は、男女の組手3階級と演武の出来栄えを競う男女の「形」だ。長年、国内外のファンらが五輪での実施を待ち望んできた。日本伝統の武道を世界に発信する効果にも期待する。

 五つの競技は、これら日本側が望む2競技に、IOCの意向を踏まえて若者向けの3競技を加えた形である。

 それが、スケートボードと、人工の岩壁をよじ登るスポーツクライミング、波乗りの技術を争うサーフィンだ。

 スケートボードは、米国の主要テレビ局の放送で人気を集め、サーフィンも若い世代に親しまれている。

 大会組織委員会の森喜朗会長は「日本が求めているもの(種目)だけでIOCの同意を得るのは難しい」などと述べた。

 来日したIOCのコーツ調整委員長は、追加種目の選考は個別の種目や競技ごとではなく「評価は(18種目の)パッケージ全体でしていくことになる」との方針を示した。5競技を「バランスの取れた提案だ」と評したのも、選考経過から見て、うなずける。

 プロ野球選手の野球賭博問題に関しては「1人の選手のことで組織的ではない」と述べ、追加種目選定には影響しないとの考えも示した。

 ハードルはクリアしたように見えるが、問題はある。追加種目の選手数の上限である500人に、5競技を詰め込んだ結果、野球とソフトボールは、6チームずつになった。五輪憲章では、チーム競技は原則8~12チームだ。

 IOCは来年8月、リオデジャネイロで開く総会で正式決定する。五輪にふさわしいチーム数にする工夫もいる。

 最終選考で落選したボウリングとスカッシュ、武術については、五輪期間中に、何らかの形で実施するなど救済する方策を探ってもらいたい。

 追加種目実施に道が開かれたのは、IOCが昨年12月、中長期改革の中で、開催都市が複数の種目追加を提案できる権利を認めたからだ。改革の姿勢は歓迎する。

 東京五輪は新国立競技場の建設計画の迷走に加え、公式エンブレムの白紙撤回とイメージダウンが重なった。

 追加競技の一部は福島県で開催する構想もあり、実現すれば「復興五輪」のアピールにもなる。

 追加種目の提案を機に、沈みがちだったムードを打ち破り、東京五輪の成功に弾みをつけたい。