米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画をめぐり、「環境監視等委員会」の委員の在り方が問われるような事実が明らかになった。

 一部委員が、就任が決まった2014年以降、移設関連事業を請け負った業者から寄付を受けていたというのだ。

 沖縄防衛局が設置した環境委は、周辺環境への影響を監視するのが役割だ。委員は、意見や判断への影響を否定しているが、釈然としない。

 建設環境コンサルタントの「いであ」から800万円を受け取った大学教授の委員は「委員になる前から寄付を受けていた。もらうこと自体は不適切ではなく、返還は考えていない」と説明した。

 海洋土木工事会社大手「五洋建設」から200万円、建設コンサルタント「エコー」から50万円を受領したもう一人の大学教授は「辺野古とは無関係の研究に対する寄付。委員会では厳しい目で検証している」と言う。

 また、別の委員は08年に、「いであ」代表取締役が理事長を務めるNPO法人「地球環境カレッジ」の理事に就任。その後、年約200万円の報酬を受けているが「委員としての意見が報酬に左右されることはない」と述べた。

 「いであ」は12年以降、移設関連事業としてジュゴンやサンゴ類の調査など少なくとも10件以上、計約30億円分を受注している。

 だが、沖縄防衛局の関係者は「委員は専門分野や地域性などを勘案して選んだ。事前に(業者との)利害関係は確認していない」という。

 国が、監視役と監視される側の利害関係を、あらかじめ調査せずに、公共事業の公正さが保てるものだろうか。

 委員の側も、国民の前に常に襟を正すべき立場にあることを忘れてはならない。

 ほかにも気になる点がある。「いであ」が昨年、環境委の運営業務も沖縄防衛局から受注したことだ。業務は「委員会の運営」「専門家の指導・助言の整理、検討」などだ。契約期限後の今年9月には、地元企業との共同企業体で同様の業務を受注した。

 翁長(おなが)雄志(たけし)知事は「本当の意味での環境保全をちゃんとやっていたかどうか、県民も納得しにくい」と批判した。

 一方、菅義偉官房長官は「国民に癒着という疑念を持たれることは避けるべきだ」と述べながらも、委員会については「公明正大に行われている」と強調した。

 辺野古移設問題は、国と県の全面対決の様相である。

 翁長知事は、前知事による辺野古沿岸部の埋め立て承認を取り消した。これに対抗して、沖縄防衛局は国土交通相に審査請求し、承認取り消しの効力停止も申し立てた。

 国は申し立てが認められ次第、作業を再開する方針だ。

 サンゴや貴重な生物などをめぐり、環境委の果たすべき役割は依然として大きい。

 国や環境委は、信頼回復の道を探ってもらいたい。