原子力規制委員会が、高速増殖炉もんじゅ(福井県)に関し、日本原子力研究開発機構による運営は不適当として、運営主体を変更するよう文部科学相に勧告することを決めた。

 規制委は、機構に代わる新たな運営主体を半年後に文科相が示せない場合、廃炉も含め、施設の在り方の抜本的な見直しを求めるとしている。

 もんじゅは事故や点検ミスが絶えず、機構は再発防止策を打ち出してきたが、実効は上がっていない。運営する能力に欠けているのは明らかで、規制委が見切りをつけたのは当然である。

 政府は、「失格」の烙印を押したともいえる規制委の判断を、重く受け止めなければならない。

 研究段階にある原型炉のもんじゅは、原発の使用済み核燃料から再処理して取り出したプルトニウムを燃料に使い、燃やした以上のプルトニウムを生み出す核燃料サイクルの中核施設である。

 資源が乏しい日本にとって「夢の原子炉」とも呼ばれ、政府は実用化を目指す旗を降ろしていない。

 問題は、通常の原子炉と違って冷却材にナトリウムを使うなど、高度な技術が要求されることである。

 初めて臨界に達したのは1994年と古いが、翌95年にナトリウム漏れ事故で停止。2010年に運転を再開したものの、3カ月後に燃料交換装置が落下する事故が起き、以来、止まったままだ。

 12年には約1万件の点検漏れが発覚し、13年5月に規制委から事実上の運転禁止命令を受けた。管理ミスはその後も続発している。

 コスト面でも問題がある。これまでに投入された国費は1兆円を超え、運転停止中も年間200億円の維持管理費が掛かっている。実用化が見通せない中、巨費をつぎ込むことに、果たして国民の理解は得られるのか。

 機構は能力を否定されたが、特殊な技術を要するだけに、代わりの組織を提示するのは容易ではない。

 もんじゅの運営主体は、当初の動力炉・核燃料開発事業団(動燃)から核燃料サイクル開発機構、現機構へと変遷してきたが、体質は改善されなかった。

 規制委の田中俊一委員長は、単なる「看板の掛け替え」は許さない姿勢を見せている。半年以内に新たな運営主体を示すのは、現実的には不可能ではないか。

 核燃料サイクルのもう一つの中核施設である使用済み核燃料再処理工場(青森県)も、技術的な難しさなどから完成していない。

 政府は昨年、閣議決定したエネルギー基本計画で、核燃料サイクルを推進する方針を掲げたが、実現性は極めて低いと言わざるを得ない。

 規制委の厳しい態度を見る限り、もんじゅの廃炉は避けられまい。政府は核燃料サイクルに固執せず、見直しへかじを切るべきである。